東京・赤坂で起きた小6少女四人の監禁は衝撃的に過ぎる。小泉首相は閣議で「どうなってるんだ」と声を荒くし学校や家庭での指導強化を指示したそうだけれどもー庶民の驚きはもっともっと強い。誘拐し監禁した犯人・吉里弘太郎の自殺も謎ながら小学校6年生の少女たちの行動にも、軽率というか腑に落ちないところが目立つ▼吉里弘太郎は、少女の一人に小遣いをやり「仲間を連れてこればもっとあげる」と言葉巧みに誘ったらしいが、こうした甘言に軽々と乗るような心が今の日本では普通だとしたら恐ろしい限りだ。自殺した犯人は、これまでにも児童買春で有罪の判決を受けているし、この種の事件には何回か関係してもいる。被害にあった少女らを誑すなどは極めて簡単なことだったに違いない▼小学生も高学年となれば社会やいろんな事に興味を示し始める世代と言っていい。東京の新宿や渋谷は「若人の街」だし、少女らが関心を深めるのもよくわかる。けれども、一歩誤ると「悪の巣窟」が待ち受けているの事情もよく知らなくてはならない。きらびやかなショウウインドーの裏にはよく「闇」があるのも都会の社会現象と見る観察眼も養いたい▼長崎の駿ちゃん殺人もだが少年少女が刑法上の被害になる事件は日本で急増している。この二年は連続して四十万件を突破しており、異常な伸び方なのである。悪いのは犯人に決まってはいるが、被害者にも犯行に付け入らせるような安易や言動がなかったのどうか。幅広い議論と検討が必要なのかもしれない。 (遯)
03/07/19