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韓伯学院=校舎内で百㍍走?!=小学生がパソコン組立て

8月6日(水)

 韓国系コロニアが誇るコレジオ・ポリロゴス(通称・韓伯学院)は着実に歩みを進めている。対応した用務員(渡伯十二年の三十代男性)は「我校のモットーは、英語とコンピュータを使える人材の育成」と説明。事実、以前はなかった五十台以上のパソコン(インターネット常時接続)が図書室に配備されている。
 ここにあるパソコンは全て小学生が授業の一環として組み立てたもの。ネットワークの設計・配線までやらせるというから本格的だ。通常のコンピュータ教育ではプログラムの使い方が中心であり、小学生からそこまで指導する学校はサンパウロ市の有名私立校でもほとんどない。専門学校レベルのことを小学生からやらせる英才教育だ。
 「子どもたちは年間百台ちかいパソコンを壊しますが、『どんどん壊していい。いじらなきゃ憶えない』って言ってるんです」。繊維・服飾業界と共に、パソコン業界にも進出著しい韓国系ならではの教育方針だ。
 韓国政府から在外モデル校に指定されているので「毎月三万ドルの援助がある」「つい最近も母国から一万五千冊の本を寄贈してもらい、別の便がすでにサントスに着いています」と相変わらず威勢がいい。
 在外韓国系コミュニティの最大のものは中国にあり、ついで日本、北米ロスなど。ブラジルはそれほど大きい方ではない。にも関わらず、初めてのモデル校に指定され、母国の卒業資格も取得でき、手厚い援助を受けているのは、「ここには団結があるから」だそう。
 校舎裏の敷地には、奥行き三十メートルの講堂を建築する予定になっており、現在ある校舎が縦七十メールなので、「校舎内で百メートル走ができるようになる」と冗談を言う。プールや、池を中心とした韓国庭園、野外劇場なども建築予定になっている。
 職員室、化学実験室、音楽室など教室ごとにパトロンが付き、その匿名有志が資金に責任をもって改装工事をするシステムになっているそう。
 「日系コロニアにもこのような学校を作る話があるらしく、昨年何十人も視察にきましたが、どうやら意見がまとまらないらしく、まだ実現していないようです」。その通りだけに、実に耳の痛い話だ。
◆Colegio Polilogos: Rua Solon,1018 Bom Retiro

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