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コラム 樹海

 「ブラジル事情を知る図書」の名が先ごろ本紙6面に連載された。いったいサンパウロにどれぐらいのこれら図書が入っているだろうか。高野書店主の高野泰久さんによるとリストにあげられた百四十一冊のうち絶版は十七冊。日本での入手は困難だが、ここではいまなお在庫管理しているとのことだ。訪伯する学者や研究者らが逆にこちらで書籍を求めて行くというのだから皮肉に映る。「絶版本、日本に無ければブラジルで」の傾向が強いという珍現象がおもしろい▼この地に住む者にとって日本の図書が読める環境は整ってきた。ただし、為替の関係がつきまとう。庶民には値の張るものに手が届かぬ事情もあったりで欲求不満は消えることがない。活字への飢餓感は増幅していく▼そんなとき、文協ビルで催された『人文研ブックフェア』に癒された人々が少なくない。人文研・ブラジルを知る会共催の〃古本祭り〃は今年で五回を数える。八千冊の古本(といっても新刊同様が多い)を取り揃え、そのほとんどが捌けた。一冊一~三レアルのものが大半で、まるでタダみたい。リュックを背負って本の買い出し?に現れた読書家もいたほどだ▼コロニアには良書を求め、自己研鑽に努める先達がいたし、その道に続く者も多い。欲をいうなら本は安く入手できるに越したことはない。昨今は誰もが〃心の糧〃に飢えている……?。それを如実に証明したのが今度の「ブックフェア」であったといえるだろう。        (田)

03/08/13

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