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コラム 樹海

 俳優出身のレーガン元米国大統領は、演壇に上がるとき、いつも小走りだった。もちろん、本人が意識して「私はこんなに若いんだぞ」を強調したものだった。高齢の大統領として必要だと信じたパフォーマンス(身体的表現行為)だったに違いない▼さきの戦後移住五十周年記念式典では、一人の参議、六人の知事、副知事が演壇に立った。スピーチが競演のようになったせいもあるが、話す内容はともかくとして、それぞれ独自の仕方で自己を印象づけた。全員壮年だった。政治家として今後年を重ねていくにしたがい、自己表現に磨きをかけていくだろう▼サンパウロ市のフラメンコ教室の主宰者が、最近生徒募集の際、スペイン舞踊は血の巡りがよくなり、ボケ防止になり、姿勢がよくなる、八十歳でも十分に踊れる、年齢制限はない、と誘(いざな)った。舞踊を通して腰や背を曲げないような、自己表現法をすすめたのだ▼日本の高齢者たちは、来伯すると、お世辞半分か、同世代をほめ挙げる。「ブラジルの日系人の方は若いですね」。容姿ではない。言っていることが若いということらしい。顔付きは手入れがいいせいか、確かに日本の日本人のほうが若くみえる。年をとってからの本当の若さは、レーガンさんがそうしたように、できるだけ行動で示したい▼老人クラブの芸能祭では、在宅高齢者を対象にした「若さを見せるパフォーマンス・コンクール」を演目に加えたらいかがか。尤も、舞台上ではなく、日常こそ大切なのだが。(神)

03/08/15

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