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どこまで残る? 文化やその意味

 28日、所要があって出かけた先で、カトリック教会の周りにケルメッセの屋台が立ち並んでいるのを見た▼時間の都合で覗きもせずに帰ってきたが、帰る途中、別の教会でも同様の飾り付けが施され、大勢の人が集まる様子を見た知人が「こういう行事をやればお金も入ってくるんだろうけど、教会本来の目的からは外れているんじゃないのかな」と呟いた▼気になって調べたところ、ケルメッセは地区の守護聖人や教会の設立記念日を祝ったのが始まりだという。宗教的な色合いが次第に薄れ、良い習慣に反すると見られるようにもなったため、一時は複数の日にまたがる行事が禁じられたが、その規制が間もなく忘れられ、再び祝われるようになったようだ▼ケルメッセではケントンやヴィーニョ・ケンテ、トウモロコシを使った料理など、この時期特有の一品も出され、スーパーなどの店頭には毎年、これらの料理の材料が所狭しと並ぶ。カトリック信者ではないので、信者達がケルメッセをどう理解しているか尋ねた事もないが、フェスタ・ジュニーナを含む一連のイベントを一つの文化として見れば、それはそれで興味深い▼29日付エスタード紙には、サンパウロ市ボン・レチーロの州立校の生徒は55%が外国から来たか最近ブラジルに来た人達の子供で、訛り交じりのポルトガル語が飛び交い、縄跳びやジャンケンなど各国の子供の遊びが広まっているとある。サンパウロ州内の生徒の0・2%(約8千人)は外国籍で、5092人がボリビア人、1126人が日本人だとも。様々な背景を持つ人々が集まる国では、各国の文化や言語、その意味がどこまで広まり、残るかなどが気になるところだ。(み)

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