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水清ければ魚棲まず?

 ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で摘発されたオデブレヒト社の元幹部が司法取引で報奨付供述を始め、これまで不問だったテメル大統領の名前も出始めた時、身近な人が「行き過ぎた理想主義に走りすぎるとフランス革命の時と同じようになってしまう」との危惧感を示した▼「恐怖政治が起きたのは検挙と政界の取締まりが行き過ぎて政治が素人になった結果」との弁に、「水清ければ魚棲まず」とか、「人と屏風は直ぐには立たず」という格言を思い出した。「水が清すぎると魚が棲みつかず、人が潔白すぎれば仲間が出来ない」、「屏風を折って立たせるように、時には自分の考えを曲げて他人と折り合いをつけなければ、世の中は渡れない」という意味だ▼上院のレナン議長は下院が骨抜きにした汚職防止法を即日審議しようとした直後に汚職問題で被告となり、最高裁から停職命令を受けたが、その通達を受け取らず上告。伯国の経済回復に不可欠な法案通過に同議長が必要との政府や上院議長団の訴えが通り、同氏は議長職に止まる事になり、歳出上限法は13日に上院で承認された▼最高裁に対しては政治的判断で法を曲げたとの批判も出た後の歳出上限法承認が、国の将来をどう左右するかはまだ不明だ▼最高裁が法適用にも幅がある事を見せた事で、疑惑の政治家への捜査や裁判への不透明感も若干生じたが、伯国民は汚職摘発や政界浄化を望んでいる。類義の英語の格言は「策略の一つも出来ない能無しは殺してしまえ」と訳せるのを見て、策略の出来ない政治家に政局運営は不可能かとも考えたが、検察がルーラ氏やカブラル前リオ州知事をLJで起訴との報に拍手する自分がいる。(み)

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