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コラム 樹海

 「安全な国」の日本に犯罪が激増している。今から十年ほど前までは刑法犯は年間に百万件で検挙率も六〇%超と警察の力を誇りとしたものである。ところが、ここ数年の間に刑法犯は二百八十万件と三倍近くも膨れ上がり検挙率も二〇%にまで落ち込んだ。殺人・強姦・放火・強盗の凶悪犯も増えているが、社会生活を脅かす街頭犯罪の増え方が激しい▼検挙率の低下には警察官の少なさも大きな原因となっている。先進国は市民三百人に対し一人なのに日本では五百三十人に一人なのである。もう一つは社会と住民が犯罪防止や捜査に非協力的な傾向が強くなってきていることも大きい。昔なら交番のお巡りさんと周辺の市民たちとの心温まるような美談も多かったけれども最近はとても珍しいのだそうな▼家屋に侵入するにも今はドリルでドアに穴を開けて開錠する「サムターン回し」になり前年の約四倍も増えている。強盗も郊外のドラッグストアなどが狙われ被害は二五%も多い。先頃は韓国からの武装スリ集団が話題になったけれども、他の犯罪にも外国人グループが関係しているのが多い。「サムターン回し」もだし、自動車窃盗にも外国人が絡んでいるのが殆どなのである▼警察官不足については一万人増員が決まったらしいけれども、一般市民の協力も欠かせまい。ブラジルから出稼ぎに行った人の犯罪も激増しているが、外国人が犯人の場合には犯罪人引き渡し条約などの新しい課題に取り組む必要もあろうし、犯罪を警察官だけに任せて置く時代ではなくなったのは間違いない。   (遯)

03/08/28

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