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サンパウロ市カンブシ区=悲劇の英雄ナカハラさん=柔術で通行人助けるも 強盗が射殺

9月13日(土)

 サンパウロ市カンブシ区で十日、ウイリアン・エドゥアルド・ナカハラさん(学生、一八)とロジェーリオ・デ・ファリアスさん(学生、一八)が路上で強盗を働いていた三人組の男に銃撃された。ナカハラさんは胸を撃たれ死亡、ロジェーリオさんも右手を負傷した。目撃者によると、ナカハラさんらは、通行人を襲っていた三人組を止めようとして撃たれたらしい。軍警によると、逃げた男らの行方はつかめていない。
 同日午後七時半ごろ、同区リンス・デ・ヴァスコンセーロス通りで発生した。捜査を指揮するマルコス・アントニオ・デ・ブリット伍長によると、ナカハラさんとロジェーリオさんは、通行人が強盗に遭っているのを目撃。後ろから羽交い締めにして止めようとしたらしい。柔術など格闘技の心得があった二人は、技をしかけて阻止しようとした。三人組のうち、二人は一旦逃亡。しかし、すぐに戻ってきてナカハラさんらを銃撃した。心臓を撃たれたナカハラさんは救急病院に運ばれたが死亡した。
 ナカハラさんの父セルジオさん(四四)は「もし、見て見ぬふりをしていれば、息子は死ななかったのに」と嘆いていた。セルジオさんによると、ナカハラさんは六年前から柔術を習っていた。海外での大会に出場した実績もあり、体育系の大学に進学を予定していたという。
 軍警は十一日現在、逃亡した三人組と襲われていた通行人の所在をつかめていない。

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