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ブラジル、折衝の場提供=コロンビア内戦解決へ=国連介入、非公式に要請も=「内政干渉しない」と強調

9月18日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】カルタヘナ訪問中のルーラ大統領は十六日、国連仲介によるコロンビア政府と革命前線(FARC)の折衝連絡会議の場所をブラジルが提供すると、ウリベ・コロンビア大統領へ申し入れた。大統領の外遊目的は当地で開催されるコーヒー国際会議での講演であったが、途次コロンビアの平和解決に、ブラジルが一肌脱ぐのもやぶさかではないとした。

 国連仲介を前提としてコロンビアの内政問題解決への協力を、大統領が申し出た。大統領は交渉の机に国連も座り、ゲリラ問題を平和的に解決することで意欲があることを表示した。国際問題担当のガルシア大統領補佐官は、ブラジルは仲介人ではなく中立的立場で解決の労を取ることを考えていると述べた。
 同補佐官はコロンビア政府了解のもとに国連に呼びかけ、ブラジル国内の場所と日付を折衝している。コロンビア政府はブラジル政府を共和制政治の同志であり、麻薬や武器密輸の取り締まりとテロ封鎖を相互理解する隣国と考えていると、ウリベ大統領は述べた。
 コロンビアもコカインに代わる産物として、コーヒーを奨励している。コロンビア政府は、低所得階級がコカインに代わりコーヒー栽培を行いFARCの手から農民を奪還すれば、四十年にわたるゲリラとの闘争も防げるとみている。コロンビアにとって、コーヒーは国家維持の命綱だ。
 コロンビア政府はFARCとの第一回接触を十月初旬、マナウスで行う予定と発表していた。しかし、国連は介入をはっきり決定したわけではないと、ウリベ大統領に報告した。まだ国連介入の構想は、交渉前の段階に過ぎなかった。
 ブラジル政府は二十二日からニューヨークで行われる国連総会のおり、非公式にコロンビア・ゲリラへの国連介入を要請する。それから、公式の国連による介入決定を待つ段取りだ。この国連総会ではルーラ大統領の開演演説が予定されている。南米大陸の平和のために南米諸国の極貧問題を、大統領は訴える。
 南米に民主政治が根付くために全ての努力を惜しまないとして、ルーラ大統領はコロンビアへの国連介入を要請するはずだ。ブラジル自身がコロンビアの内政問題に関与することはないし、あらゆる便宜を図るにとどまると念を押した。
 ガルシア補佐官はコロンビア政府とFARCのために、ブラジル政府は話し合いの場を設けたに過ぎないと説明した。同補佐官はアモリン外相とともに八日、コロンビア政府を訪れた。両氏は十六日、国連コロンビア問題のレモイネ担当官を訪れ、詳細報告と打ち合わせを行った。

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