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サンパウロ総領事館で安全対策話し合い=強盗、サギ被害防ぐには=日々緊張感の持続を=「金銭要求」の電話=必ず事実確認を

11月4日(火)

 サンパウロ総領事館(石田仁宏総領事)は、三十日午後四時から、同館多目的ホールで安全対策会議を行った。石田総領事のほか、文協、援協、県連、商工会議所関係者十四人が参加。強盗や詐欺事件の事例、その対策などが話し合われた。
 最初に石田総領事は「みなさんの意見や経験を分け合い、すり合わせ安全対策に役立てたい」とあいさつ。続いて、大熊博文領事が最近の治安情勢、同館に寄せられた邦人、日系人の被害事例について説明した。
 大熊領事は「日系人はもちろん、邦人についてもサンパウロに来てから一年以上が経過し、生活や言葉にも慣れ、それまで一度も被害に遭ったことがない人が被害に遭うケースが多い」と語った上で、「最善の防犯対策は『油断せず緊張感を保つこと』」と、日々緊張感を持続させる重要性を強調した。次に紹介された被害事例の一部と対策について掲載する。
※自動車乗車中の事件。
[事例]八月八日、総領事館入居ビル東側交差点。信号停車中(中央車線、後方の交差点付近)賊二名が、上着の中に拳銃を所持している仕草を見せながら現金を要求したため、窓ガラスを少し開けて七十レアルを手渡すと、賊は窓の隙間から手を差し入れ、ベルトに付けていた携帯電話をむしりとって逃走した。
 九月十九日、午後八時、タマンダレ街。タクシー乗車中に賊が窓ガラスを叩き割り、被害者が膝の上に所持していたバッグをひったくり逃走した。
[対策]停車する前に必ず付近の状況を確認する。停車前は徐行運転を長く行い、停車時間を短縮する。停車する場合は、前方車両との車間距離を車一台分以上開ける。ガレージ等に駐車する場合は、付近に不審者がいないかよく確認する。携帯電話は外部から見えないように所持する。バッグ等荷物は座席の下やトランクに入れるなどの外部から見えないように所持する。
※グアルーリョス国際空港からの帰宅時を狙った強盗事件。
[事例]八月二十四日午前七時四十分頃、サンミゲル・パウリスタ区。被害者は日本への旅行から帰国し、同空港から家族の出迎え自動車に乗って帰宅。自宅前で降車した際に拳銃を所持した三人組の男に襲われ、現金約百四十レアルを強奪された。
[対策]空港に送迎を行う際は、強盗犯などに目をつけられにくい空港二階出入り口を使用する。空港からの道中においては尾行している車両がないか確認を徹底する。不審な自動車に尾行されていると気づいた場合は直接自宅に向かうのではなく、警察署の駐車場など安全な場所に一時待避する。
※クレジットカードのクローンによる詐欺事件。
[事例]八月十三、十四日。被害者がカードで買い物をしようとしたところ、使用停止になっていた。カード会社(ブラジル)に問い合わせたところ、身に覚えの無い買い物(合計七件千レアル相当)がなされていることが判明した。
[対策]信用できる店以外なるべく同カードを使用しない(支払いの際、カードを店員に預けるようなレストランは注意が必要)。同カードは財布の中に入れない(強盗から電撃誘拐に移行する可能性があるため)。インターネットなどでこまめに使用状況を確認し、異常が認められた場合は直ちに、銀行、カード会社に連絡をとる。
※出稼ぎ日系人家族対象詐欺事件。
[事例]九月八日、カンピーナス市。被害者方に、日本に出稼ぎに行っている家族(弟)の友人と名乗る男から電話があった。「弟が日本で交通事故にあったので、その関係書類を準備しなければならない。書類を準備するためのお金を総領事館のキムラさんまで持ってきて欲しい」との旨。本人及び同館に確認したところ、嘘であることが判明。
[対策]犯人は被害者を信用させるために、周到に家族の氏名などを調査して電話をかけてくる。見知らぬ者からの電話で、金銭の要求を伴う電話は注意が必要。不審な電話があったら、直ちに日本にいる家族及び同館に電話で事実確認する。

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