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強い日光、鳥害など防ぐシート=都築繊維工業開発=農業、運動場保全に最適

11月15日(土)

 直射日光を緩和し、ひょう、鳥類など天候や動物による害から生花、果実、農産物を保護するシャドー・シート(telas de sombreamento)。ブラジルでの利用は数年前から本格化してきたものの、一般の知名度はまだまだ、低い。都築繊維工業(都築正治社長)がこのほど、新商品を開発、既に販売を展開している。
 同社プラスチック部門は七二年に誕生。トウモロコシ、キャベツ、ミカンなどの梱包に用いるポリエチレン製プラスチック袋の生産を手掛けてきた。
 これまでの技術を基にシャドー・シートの生産に乗り出した。定番である日光率三〇%と五〇%のタイプを揃える。必要に応じて、日光率、色彩について顧客の要望に応える。
 運動用コートや客席、駐車場などの日よけにも使用可能だ。同社は、社内のフットサル用屋外コートに取り付けたところ、日光が強い時間帯での競技が楽になった。さらに、テニスも楽しめるようになり、従業員から好評を得ている。
 プラスチック関係を専門にするエスコーラ・セナイ・マリオ・アマト校(サンベルナルド・ド・カンポス市)が実施した特殊電球露出テストで九百時間、持続。まだ続行可能と判定され、商品の耐久度に〃お墨付き〃を得た。
 業界では、各社の規模が小さく、直接販売より代理店を通じた販売が主流で、価格の上昇につながっている。都築紡績は日系社会の消費者に対して、直接販売を展開。工場の卸価格で取引する考えだ。
 販売部門はサンパウロ市内のイタリアビル内にある。営業担当に日伯両語に堪能な江原ルイスさんを抜擢。新製品の応用、効果について、丁寧に応対する。
 プラスチック部門はアメリカの姉妹工場から一部設備を移転。シイタケ用のフィルター付きPE袋の開発を手掛け、量産体制が最終的に整いつつある。理想的な製品開発に関心を持つシイタケ生産者の協力、連絡を待っている。
 問い合わせ先は次の通り。電話番号=0xx11・0077。FAX=0xx11・3231・0957。住所はAV.SAO LUIS 50-ED,10ANDAR SALA 102E SAO PAULO-SP
 【都築繊維工業】一九六〇年六月、FIACAO SAO PAULO S/A(スザノ市)の土地、建物と紡績設備を買収、ブラジル進出を果たした。現在、八百人の従業員を雇用。綿糸、綿布、手袋、化工布を生産している。

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