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NHKドラマが始動=スタッフ来伯打合せ=移住者からエキストラも=配役は近くサンパウロ市でも発表=ブラジル〝ご当地ドラマ〟に

11月21日(金)

 橋田寿賀子さんの脚本で〇五年秋に放映されるNHK放送開始八十周年記念スペシャルドラマ「ハルとナツ・届かなかった手紙~ブラジル移民物語~(仮題)」。そのブラジルロケが来年五月以降行なわれることを、二十日ニッケイ新聞社に来社した同番組制作局の金沢宏次エグゼクティブ・プロデューサー、NHKエンタープライズの阿部康エグゼクティブ・プロデューサーの二人が明かした。ロケは来年五月から七月と十一月から年末の二回に分けて調整されており、物語の半分近くをブラジルで撮影する計画もある。「移住者の方々にはエキストラで出演していただきたい。ご当地ドラマにと考えている。移民百周年のきっかけに繋がれば」と両プロデューサーは力を込める。

 ドラマは一話七十五分の五話で構成される。昭和十年、家族と北海道からブラジルに移民した十歳のハルと、日本に残された二つ年下の妹ナツ。二人の波乱万丈の生涯を描く。さながら〝二人のおしん〟というような内容だ。
 金沢プロデューサーは「世界六十の国・地域で放映されている『おしん』に匹敵するものを目指す。たんなる苦労話にとどまらず、現代に生きる人たちへの応援歌にしたい」と抱負を述べた。
 脚本、配役ともにいま詰めの段階。ブラジルロケでは移住者を含む日系人の出演が検討されている。「日本でドラマを制作する場合にも地元の役所を通じてエキストラを公募している。こちらでは文協の上原幸啓会長に『パイプ役』をお願いした」と阿部プロデューサー。
 十三日からスタッフ四人がブラジルに滞在。サンパウロ州、マット・グロッソ州に出向き撮影候補地の下見に当たるなど、現地での準備の方も最終段階にある。ブラジル側の制作編集協力は「カーザ・ブランカ」に依頼した。現在放映中のドラマ「トゥルマ・デ・ゲットー」の制作でも知られる業界最大手だ。
 配役の決定は近く、東京と同時にサンパウロでも発表したい、と金沢プロデューサー。「完成の際は先行試写会もサンパウロで行なう」と約束する。

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