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コラム 樹海

 イラクとトルコで卑劣な爆弾テロが続発している。バグダットの日本大使館付近での発砲事件もあるしトルコでは英国総領事館が襲撃され総領事が爆死し二十七人が死亡四百五十人もの負傷者が出ている。これらの自爆テロはフセイン前大統領の一派とアル・カーイダらの仕業らしいが、こうした卑怯を極める犯罪に怯んではなるまい▼トルコのテロは国賓として訪英中の米大統領がブレア首相と首脳会談を開催するのを狙ったのに違いなく世論に警告を与える目的があったと見ていい。だが両首脳からは「テロとの戦いに譲歩はない」の答えが返ってきたただけである。あの9・11に起きたNYテロのときブッシュ大統領は「新しい戦争だ」と宣言しアフガン戦争とイラクのフセイン追放へと走ったのである▼アメリカの精鋭部隊がミサイルや超近代兵器を使った戦いは確かに終わった。が、アフガンやイラクでの「戦争」は決して幕を下ろしてはいない。イラクのフセイン大統領の消息は依然として不明。支配政党である「バース党」の組織も残存しているようだし、何よりも雄弁なのは―米英軍を軸に国連やイタリア軍をも襲う相次ぐテロである。しかも、この悪辣な犯罪はアジアなどにも広がりを見せている▼アル・カーイダを名乗るものからは「日本もテロで襲撃」の予告と宣伝もあるけれども、こうした脅迫に屈してはなるまい。今は、テロとの戦いであり国際社会は「残忍なテロ撲滅」を宣言し世の拗ね者の敗北に立ち上がるときである。  (遯)_

03/11/22

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