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虚礼を廃して〝実〟を寄付=パトリモニオ保険ことしも

12月17日(水)

 近年、日本では年末年始の歳暮、年賀状、あいさつ回りなどの虚礼を廃止する傾向にあるが、サンパウロ市アウシーデス・リカルジーニ・ネヴェス街のパトリモニオ保険サービス会社(脇山正之社長)も五年前から虚礼を廃止、その代わりとして日系の福祉団体への寄付活動を行なっている。今年の寄付先は社会福祉法人こどものその(井口信理事長)。九日、ガルボン・ブエノ街のこどものそのリベルダーデ事務所で、脇山社長から西田康二同園評議員会会長に寄付金が贈呈された。
 パトリモニオは七二年創業の保険代理店。九七年に北米大手保険会社マーシュと業務提携した際、同社の「虚礼を廃止し、その費用を社会福祉に役立てる」という理念を学んだ。九八年から、クリスマスカードの送付を廃止、こどものそのを皮切りに救済会、憩の園、希望の家、援協など日系福祉団体への寄付活動を展開。脇山社長は、「創業以来、毎年、クリスマスカードを出していた。廃止後の三年間はお断わりの手紙を出した」という。
 脇山社長は九日、こどものその事務所を訪れ、西田会長に三千レアルの小切手を贈呈した。九八年以来、二回目の寄付を受けた西田会長は、「園児、園生にとって、年末の寄付はとてもありがたいこと。福祉事業の継続推進の協力に感謝したい」とし、寄付金については、「年間計画で用途を決める。施設の拡充などに使いたい」と述べた。脇山社長は、「続く限り、毎年、やっていきたい」と語っていた。
 なお、こどものそのは十四日正午から、一年間の教育成果を披露する終業式をイタケーラ区の同園本部で行なう。今年は脇山社長も招待し、同園創立四十五周年を締めくくるイベントとして盛大に開かれる予定。

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