12月17日(水)
新井知里さん(サンパウロ)は、十一日、日本における今年の短歌大会に応募して、いい成績をおさめた人たちの名前と入選ぶりを伝えてきた。
◇第十八回国民文化祭やまがた(十月四日)
[上山市実行委員会会長賞]
大方はハーフとなりし孫曾孫吾も骨埋めんイペー咲く地に 広田 幸
[入選]
先頭に角笛を吹く牛童子千の牛群れその後に遵く
鈴木 達夫
二つ目の駅で降りると言ったのに席を譲ってくれる少年 西崎 落實
神戸港出帆してより七十年ブラジルに骨埋める日近し
杉本 文子
地平線に北斗星見え初めて南半球いま冬に入る
藤田 朝壽
◇第八回古今伝授の里短歌大会岐阜(十月二十六日)
[大和町文化協会賞]
梅入れて持ち来し壷にブラジルの梅を漬けおり四十年経て 内谷 美保
[秀作賞]
コンピューターに明けくれ親しむ孫達は出稼ぎの父の云うこともなし 八巻タケ
[佳作賞]
鮭はみな故郷を目指すというけれど日だまりに座す古き移民等 新井 知里
[奨励賞]
時報より二十分おくれて病院の日時計十二時を指す
藤田 朝壽
◇第四回国際交流日タイ短歌大会(十一月十六日)
[タイ日留学生協会賞]
終戦の時のテレビを観る度に私はすぐに八才になる
新井 知里
[短歌新聞社賞]
種を蒔く今日も日射しのやわらかくマグマひそめる土を均らして 瀬尾 天村
[選者賞]
大き理想持ちて渡り来し南米の小さき畑に草むしりする 川久保タミ
[秀作賞](氏名のみ)川上美枝、田口愛子、渡辺光、藤田朝壽、岡本利一。