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誘拐団に小指切断され=エデル君、74日ぶり解放

12月18日(木)

 十月に誘拐されたガソリンスタンド所有者の息子で学生、エデル・ササキ・ハラさん(一七)が今月十六日未明、七十四日間にわたる監禁生活の末、解放された。主犯格のウイリアム・フランクリン・デ・フレイタス・ヴァルガス容疑者(二四)が逮捕されてから十二時間後の出来事だった。ハラさんは、誘拐団に左手の小指を切断されたが、命に別状はない。十七日付、ジアーリオ・デ・サンパウロ紙などが報じている。
 ハラさんは十月三日、サンパウロ市東部地域のカルモ公園内のスポーツクラブでフットサルをしている時に誘拐された。警察によると、ハラさんはロッカールームに向かうところ、四人の男に押さえ込まれ、フィアット車でジダーデ・リーデル区のココ貧民街に連れ去られた。
 誘拐団は犯行の日から十日後、一回目の接触で家族に五十万レアルを要求。六十日間で三回しか電話をしなかったが、身代金額を下げることはないと示唆していた。警察を惑わすため、犯人たちは毎回違う携帯電話を使用していた。
 市警誘拐対策課は今月十日、携帯電話偽造の疑いでウイリアム容疑者の仲間を逮捕したが、その二日後、誘拐団はハラさんの家族に電話、シダーデ・リーデル区のイーペルメルカードまで行くよう指示した。近くの公衆電話にハラさんの小指が残されていたため、警察は関連があるとみて捜査を広げた。
 警察はウイリアム容疑者によって犯行が計画されたことを突き止め、十五日午後二時すぎ、ココ貧民街で同容疑者を逮捕した。容疑者とともにいた若者二人も捕まった。捜査官はこの日夜まで、数々の家屋を捜索したが、ハラさんの監禁場所はつかめなかった。
 ウイリアム容疑者は同日深夜、仲間に自分は逮捕され、被害者を解放すべきだと電話で告げると、十六日午前二時前、アリカンドゥーヴァ通りの一角でハラさんが発見された。ハラさんは日伯友好病院に運び込まれた。警察はほかの共犯三人を捜しており、そのうちの一人はヴァンピーロ、またはヴァンピリーニョと呼ばれているという。

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