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笑いあり涙ありの講談=宝井琴梅師匠ら張切る

1月8日(木)

 日本の寄席演芸、講談の宝井琴梅(たからい・きんばい)師匠ら五人が十一日午後二時からブラジル日本文化協会で公演する。「笑いあり涙あり。必ずみなさまにお楽しみいただけける内容」と、一行は本番を直前に控え張り切っている。渡航・滞在費はすべて各自己負担で来伯するという。入場料は無料。
 当日は前講に、「山内一豊の妻」(鈴木梅脚)、「水戸黄門漫遊紀」(長嶺梅金愚)、「床下の物知りお婆々」(渥美右桜左桜)、「八丈島物語」(渥美矢梅)の四話を予定。宝井師匠の講談「よもすがら検校」で締めくくられる。
 「よもすがら―」は若蔵という若者に命を助けられた検校の話。その恩義に報いるため検校は命より大事にしていた琵琶を炉に投げ入れ湯を沸かしお茶を出すという筋だ。
 「モノ、カネの世の中、こころざしで返すという、昔の日本にあった美徳をじっくりお聞きいただきたいと思っています」と語る師匠は、千葉市で渥美講談塾(塾生約三十人)を主宰。来伯するほか四人はそこで稽古に励んでいる。
 電子音楽など現代的な演出を取り入れた舞台が渥美講談の特徴。巧みな話術とあいまって、「物語の場面があたかも目の前で繰り広げられるような錯覚を覚える」と謳う。
 ブラジル日本文化協会の主催。日本航空サンパウロ支店、ジェイ・インテル、ブラジル日系老人クラブ連合会、千葉花見川ライオンズクラブなどが後援。

 

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