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パ国イグアスー移住地特産=大豆『オーロラ』生育順調=種子贈られたグァタパラ移住地=七月の入植祭で〝試食〟を

2月7日(土)

 パ国イグアスー移住地の特産農産物として知られている、非遺伝子組み換えでタンパク質の含有量が高い大豆「オーロラ」種が、サンパウロ州グァタパラ移住地で順調に生育していることが、このほど確認された。
 オーロラの試験栽培に興味を持ったグァタパラ農事文化体育協会(川上淳会長、茨城県出身)の希望に応え、二〇〇三年十一月、イグアスー農業協同組合(井上幸雄組合長、奈良県出身)からオーロラの種子五十キロが寄贈された。これをグァタパラ文協は複数の日系農家に委託して播種してきた。
 去る三日、委託農家の一人、佐賀県出身の脇山謙介さんの大豆畑に文協の川上会長、新田築副会長(島根県出身)、岡田一郎さん(長野県出身)らが集まって生育状況を調べたところ、写真のようにすこぶる健全に生育していることが確認された。
 「去年の十二月十日に蒔きました。当初は乾燥で心配しましたが、今年に入ってから雨が降ったため、このように元気になり、安心しています。初めてのことなので、収量の予測はできませんが、好結果を期待しています」と脇山さんの表情は明るい。
 文協の川上会長は「まず種子を確保しなければなりませんが、それ以外は七月初旬開催する(第四十二回グァタパラ)入植祭で展示即売して、移住地の皆さんに健康食材として味わっていただく希望が出てきました。イグアスー移住地の皆さんに感謝しないといけませんね」と笑顔で断言する。
 ミランドポリス市第一アリアンサの弓場農場では、オーロラ素材のカゼイロ味噌作りに成功した(本紙・一月八日既報)し、今度はグァタパラ移住地では試験栽培に成功しつつあるなど、これらの展開は、昨年七月の第六回日本まつりでブラジル農協婦人部連合会とイグアスー日本人会婦人部が合同で実施した「大豆食」キャンペーンが、ブラジルとパラグァイの日系社会を近づけている証明であり、今後の輪の広がりが期待される。
 その背景に自然と健康にやさしい大豆の育種に取り組む日本人JICA専門家の地道な努力(本紙・二〇〇二年十二月十四日既報)があったことを忘れてはならないであろう。