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「ブラジルにありがとう」50年祭委員会=一連の記念植樹終了

3月13日(土 )

 ブラジル戦後移住五十周年記念祭実行委員会(中沢宏一委員長)が、サンパウロ総合大学(USP)と共同で、昨年六月から数回にわたって同大学構内で実施してきた一連の記念植樹が去る六日に終了した。
 この日は菊池義治副委員長ら実行委員会とUSP関係者、国際協力機構(JICA)サンパウロ支所の小松雹玄所長、一般参加の有志ら百名ほどが集まり、USP構内で一番の高台にある太陽の広場(Largo de Sol)に面した道路沿いに約五百メートルにわたって紫・黄・白三色のイペーと赤い花が咲くクアレズマと桜を百本植えた。「ブラジルにありがとう」をスローガンとするこの行事に今回は女性の参加者が目立った。
 その一人、河野八重子さん(岩手県出身)は「ブラジルに来て六十三年になります。今日の植樹は老後の良い記念になります。参加させていただいて、本当に幸せですよ」と満足していた。「木は長い時間をかけて育つので、私たち移民がブラジルに恩返しの気持ちを示すのに良いのです。そして、その気持ちを次の世代が木を通して理解してくれるでしょう」とはリオ・グランデ・ド・スル州のポルト・アレグレから参加したという和田好司の感想だ。
 実行委員会が昨年六月二十六日にUSPで最初の記念植樹を行った時は、同構内での植樹目標は千本であった(本紙、二〇〇三年六月二十七日報道)が、すでに桜を中心に千八百本が植えられており、今回の百本を加えると千九百本となり、当初の目標の倍近い見事な成就率を達成した。九五%以上が根ずいて元気に生育している。移民百周年を迎える二〇〇八年にはサンパウロ総合大学で桜とイペーが美を競うであろう、という期待感を抱かせるほどの展開だ。
 記念植樹実行委員長の石川準二さん(東京農大会会長)は参加者にお礼を述べながら「植えた木は四年間ほど管理しなければなりません。時々、植えた木を見にきて、管理の一翼を担ってください。そして、いつか、桜まつりを楽しみましょう!」と一連の記念植樹を締めくくった。
 曇り空の下での植樹であったが、終了した後の昼過ぎになって雨が降りだした。自然の祝福もあったようだ。

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