新たな政治危機招来=官房長官が暴言=野党 対政府攻撃で挑発=大統領が謝罪命令
3月25日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】野党が政府内の不協和音に乗じ政策未熟を追及したことでジルセウ官房長官は二十三日、政治撹乱を唆すものとジェレサッチ上議(PSDB)やサンパウロ州知事、ミナス州知事を非難し、議会のひんしゅくをかった。政府はジニス氏不祥事に始まる政治危機の収拾に手一杯のとき、官房長官の発言は新たな火種を起こすとルーラ大統領からけん責され、謝罪声明の発表を余儀なくされた。
野党は前大統領の晩餐会で、共闘のため結束した。対政府攻撃をさらに先鋭化し、挑発的言動で刺激した。官房長官は直ちに、反発し抗議声明を発表。官房長官は、鉄腕宰相であるかのような問題発言をした。
ひんしゅくをかったのは次の点。ジェレサッチ上議は、政府が犯罪組織と関わりを持つかのように示唆した。同上議はヴィルジリオ上議やバーロス上議の尻馬に乗っているが、本人は政治的に無能。同上議は政府撹乱を試みているが、自殺行為だとした。
州知事へは、連邦政府が州政府に対し生殺与奪の権を持つので、一カ月で州の息の根を止めることもできると豪語した。政府の実権からみて、州があがいても延命する道はないという。
検察庁は「合法的な暴力団」だと位置付けし、現政権では勝手なまねをさせないと恫喝した。議員は官房長官は、常軌を逸しているといっせいに反応した。
民主政治が行われている国で、連邦政府と州政府の関係をこのように取り扱うことは適当でないと、各所から忠告があった。大統領はリオ行きの機中に、首都で留守番役の官房長官を特別に招き、灸をすえた。
大統領の叱責は二つ。一つは、大統領懸案のネーヴェス州知事の懐柔作戦を台なしにした。二つ、ジニス氏不祥事で中立的立場をとっていたサンパウロ州知事を敵に回した。大統領の指示で官房長官は謝罪声明を発表した。
ヴィルジリオ上議(PSDB)は、追及すべきは下っ端のジニス氏ではなく、親分のジルセウ氏だと述べた。ジニス氏やブラッチ氏は汚れ役を演じただけで、主犯は涼しい顔。犯罪のシナリオを書かせた者も同罪。この犯罪組織にメスが入ることをPTは恐れていると、同上議が断罪した。