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デカセギ支援に尽力=若者の元気、創造的に導く=大泉町で活動=2世の毛利シスター=来月サンパウロ市で講演

3月26日(金)

  十八年間日本に住み、デカセギ支援に尽力する日系二世のシスターがいる。両親が大分県出身でサンパウロ市生まれの毛利よし子さんは、カトリックの宣教師だ。マリアの宣教者フランシスコ修道会に所属し、ローマやスイスなどでも勉強しており、ブラジルを離れて早三十年にもなるという。世界教育フォーラムを機に来伯した毛利さんに、デカセギ支援を巡る状況を聞いてみた。
 「私が子供の頃、両親は自分に多大なる期待をかけてくれました。そのおかげで、今の自分がいるのだと思います。現在の日本の社会はブラジル人に対して特に期待を持っていないように思えます。差別され、励ましも期待もされない人間は、社会的役割を持たず、むしろ反抗的な行動に走るようになるのでしょう。その結果が現在の状況ではないでしょうか」
 シスター毛利は、ブラジル人による犯罪多発を嘆きつつ、冷静な視線を日本社会に送る。「メディアは外国人犯罪ばかり取り立てるきらいがありますが、日本人若者による犯罪も決して少なくはありません。外国人だから特別扱いするのでなく、日本の若者の問題も同じレベルのものとして論じるべきなのではないでしょうか」。
 シスターは、日本で生活するラテン系外国人を支援するため、東京のルーテル大学の大学院で五年間、心理カウンセリングの勉強をし、横浜の麻薬依存者更正施設で三年間、麻薬依存者治療の経験を積んだ。
 「日本の少年院に入っているブラジル人の若者の中には、フェベンに入っていた者もいます。根本的な問題は、両親がお金を稼ぐのに一生懸命で、子供に愛情を注ぐ時間がないことなのです。若者には、エネルギーが溢れています。それをよい方向に持っていってあげることが現在の優先課題だと思います」
 一九九八年にシスター毛利を中心に、ブラジル人支援団体SABJAが設立された。〇三年八月に、クルーベ・ド・ブラジルと合併し、非営利団体CB・SABJAとして生まれ変わった。
 同団体は、群馬県大泉町で在日子弟を集め、演劇やダンスなどを通して、若者のエネルギーを創造的な方向へと導くボランティア活動をしている。「活動を開始してから既に良い効果が現れつつあります」と評価する。
 「若者たちは、社会のために役に立つこと、貢献できるということを身体で体験しております。その道筋を示してあげることが大事なのです。私は今後、在日ブラジル人の状況がますます良くなっていくと確信しております。人間には変わっていくための力があるのですから」。抑え目の口調に、強い想いを込めた。
 シスターは十日に開催された日本外務省主催の「在日ブラジル人に関するシンポジウム」に招待され、講演した。その時と同じ話「在日ブラジル人子弟の教育」を、四月三日午後二時からサンパウロ市のサンターナ大学で行われる、サンパウロ世界教育フォーラムの分科会で講演することになっている。
(CB・SABJA連絡先=107―0062東京都港区南青山3―15―2マンション南青山101 電話番号=03―3404―2704)

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