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メルコスルの若者ら日本へ研修に=コチア農校から6人=国際農業者交流協会受入れ

3月27日(土)

  サンパウロ州ジャカレイ市にあるコチア農業学校Escola CooperCotiaで実施されてきたメルコスル諸国の農業後継者研修の修了生の中から、六名が選抜されて四月六日から日本で始まる実技研修に参加することが決定した。
 メルコスル農業後継者研修は、オイスカ・ブラジル総局(高木ラウル会長)が米州開発銀行(本部・ワシントン)の無償資金協力を得て、コチア農業教育技術振興財団と連携して、同財団が運営するコチア農業学校で二〇〇〇年から実施している。〇三年末までに四期研修が終了し、メルコスル四カ国の他にチリ、ペルー、コロンビアからも研修生が受講し、百五十名が修了している。その中から日本研修の第一期生として六名(ブラジル四名、パラグァイ二名)が選抜され、コチア農業学校で日本語や日本の習慣など事前研修に励んでいる。
 日本での研修は、社団法人・国際農業者交流協会(本部・東京、浅尾新一郎会長)に委託する。この交流協会は一九五二年に設立された(社)国際農友会と六七年に設立された(社)農業研修生派米協会が解散統合して八八年に設立された歴史を持つ。
 今回は同協会が実施するアジア農業青年人材育成事業に南米研修生が合流する要領で実施され、研修期間は今年四月六日より二〇〇〇年二月二十五日までとなっている。タイ、インドネシア、マレーシア、フィリピンからの研修生四十六名にブラジルとパラグァイ研修生六名の合同研修となる。
 メルコスル研修一期生のエステバン・ラモン・ロメロ君(二五、パラグァイ)は「私は国立農業大学の四年生です。オイスカ・パラグァイの推薦を受けました。二年前からNGO活動に参加して農地改革に取り組んできました。オイスカを知っているミゼリオというドイツのNGOが私たちのNGOを支援してくれることになったので、日本から帰ったら百名ほどの農民を対象とするプロジェクトに関わることになります。日本では野菜栽培の技術を学んでパラグァイに応用したいです」と意欲満々だ。
 他方、グァタパラ農事文化体育協会(川上淳会長)の推薦を受けた三期生のシルバニ・ペレイラ・ソウザさん(二一)は「サンパウロ州教育局と有機農業関係の二つのプロジェクトに関わっているの。ブンキョウ(文協)のおかげで日本に行く機会を得て、とても感謝しています。帰国したらグァタパラの人々の役に立つように頑張るつもりよ」と意欲で負けてはいない。
 アジアと南米の若者が日本で農業の技を磨く未来志向の生きたドラマに注目したい。

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