ホーム | 日系社会ニュース | JICA=ベレーン支所を廃止=新オフィスで環境協力など=職員でなく専門家配置

JICA=ベレーン支所を廃止=新オフィスで環境協力など=職員でなく専門家配置

3月31日(木)

  国際協力機構(JICA)は二十九日、サンパウロ市内のサンパウロ支所で記者会見し、三十一日付でベレーン支所を廃止新たに四月一日に「アマゾン環境プロジェクトオフィス」として発足させることを明らかにした。昨年、特殊法人等整理合理化計画を受けて独立行政法人に改編されたJICAは、緒方貞子新理事長の元、改革を進めてきた。今月中旬、発表されたJICA改革プランで「各国の開発ニーズに応じたきめ細かな援助を実施」とあるように、新オフィスではアマゾン地域における環境協力など、環境問題の専門性を高め、より地域に密着した国際協力を目指す。
 ブラジル事務所の松谷広志所長と、サンパウロ支所の小松雹玄支所長が出席し、廃止の経緯やアマゾン環境プログラムオフィスの方向性などを説明した。
 JICAの前身を含むと約五十年の歴史を持つベレーン支所では、アマゾン地域の環境協力だけでなく、三十近い日系団体を対象に日系社会支援事業も展開してきた。
 すでに地元では昨年七月に廃止についての説明を実施、アマゾン地域におけるJICAの各種ボランティアや支援事業はブラジリア事務所が管轄することになる。現在、十人の青年ボランティアと三人のシニアボランティアがいるという。
 新オフィスの規模は現状と変わりないが、従来のようにJICA職員でなく専門家を配置し、より専門性を高めたオフィスとなる。
 従来からアマゾン群馬の森で実施されている「東部アマゾン森林保全及び環境教育プロジェクト」に加え、新規事業としてはアマパー州で行う「既伐採林管理計画プロジェクト」などが予定されている。松谷所長は「従来は連邦・州政府を相手にしてきたが、昨年十月以降民間のNPOやNGO団体も対象にしている」などと語った。
 また、JICA改革プランで中軸におかれる「人間の安全保障」についても、新オフィスでは従来から実施していた貧農支援の一貫として継続していた「持続的な農業開発」などを普及していくという。
 新オフィスの住所と電話番号は従来の通り。キンチーノ・ボカイウーヴァ1588、電話は91・241・3001。

image_print