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『アルモニア学園』浮上=『日伯学園構想』沈没

4月6日(火)

 「ポルトガル語ばっかりで、半分も分りませんでしたよ」。百周年祭典協会の臨時総会の後、六十代後半のある戦後移民は悔しそうにつぶやいた。また、別の三十代の一世出席者は「ぜんぜん理解できなかった」と憤る。
 「日伯学園が落ちて、アルモニアが通ったみたいだけど、どうして?」と同戦後移民は記者に尋ねた。
 再三浮かび上がる日伯学園構想だが、今回も沈没した。しかも、先週土曜の祭典協会理事会で承認されたはずのプロジェクト委員会の採点では、日伯学園構想は二百二十点と、アルモニア学園高校部校舎の二百点よりも高得点だった。ところが総会当日、吉岡委員長の短い説明の後、突然順位がひっくり返されアルモニア案が上位となった。
 臨時総会閉会後、吉岡委員長に順位が逆転した理由を尋ねたところ、「(日伯学園は)文協ビルを使うことになっているので、このビルをいつ空けるかわからないから、後回しにした」とのこと。
 今回の日伯学園大学構想は、企画書を読めば分る通り、「文協の現状の役割・機能はそのままで、空いている時間帯のある教室や小講堂などを使って大学などを運営する」現実的な案。
 ビル全体を空けなくてもできるはずではとの記者の問いに、吉岡委員長は「このビルは将来どうなるか、はっきりしないので何も検討できない。このビルを売って、他の場所を買うことになるとダメになるだろうし。もし売らなくて済むのなら、日伯学園という話もあるだろうけど」と口を濁した。
 ビルの持ち主である文協理事会でも説明済みで、百周年理事会でも承認された案にも関わらず、突然の降格だった。
 同総合センター案によれば、文協は巨大ビルに転居する予定だ。転居後の用途に関しては今まで公の議論はなかったが、どうやら現執行部は暗黙の了解として売却も視野に入れている。
 サンパウロ市における日本人移民の橋頭堡として、ブラジル社会にも広く認知されているリベルダーデ。その中心たる文協。現執行部には、そのような移民史に対する未練も尊敬の念もなければ、すでに部屋を購入して入居している日系団体への説明もなく、公の議論を待たずに「売却」も選択肢に入れようとしている。
 一体、誰のための文協なのか? 
 ちなみに、吉岡委員長はじめ文協の和田副会長、渡部改革委員長らはアルモニア学園の理事。
 吉岡委員長の説明を、くだんの戦後移民に伝えると、「なんだやっぱりデキレースか」と吐き捨てるようにつぶやいた。

 

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