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ブラジル近況が分かる『ブラジル新時代』が刊行

4月8日(木)

 ブラジルの九〇年代後半以降の足取りと、現労働者党・ルーラ政権の動静を分析した「ブラジル新時代」(勁草書房)が三月刊行された。大学、シンクタンク、貿易振興団体、企業の一線で活躍する気鋭のブラジル・ウォッチャーたちが寄稿。上智大学外国語学部の堀坂浩太郎教授が編集した。
 第一章「労働者ルーラ政権の誕生」から第九章「メルコスールを核とした通商戦略」まで。ブラジルの都市システムや教育開発、外交などにも詳しい。
 日本経済新聞記者としてサンパウロ駐在の経験をもつ堀坂教授は「カントリー・リスクの指標となっている国債のスプレッド(上乗せ金利)が低下し再び投融資のエマージング・マーケットとして注目され始めた」とブラジルの現状をみる。
 「だが、その政治、経済の実態となるといまひとつ分かりにくい。労働者党政権が誕生してからは『なおさら』の感が強い」と語り、時宜を得た本書の刊行意義を強調している。
 二千八百円+税。

 

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