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 戦後移民は(日系社会の公的活動に、主要役員として)参加しない、といわれて久しいが、先週、現に参加している戦後移民が百年祭祭典協会の「ものの考え方」を批判して憤りを見せた▼資金的な裏付けがない、日伯総合センター建設を決議した際、祭典協会の指導者の一人が、文協ビルが売却される可能性に言及したりしたからである。日伯センターは、建設理念が人々にうんぬんされる以前に、事業資金の調達方法が示されていないので、はっきりとした支持の意見があらわれてこない。もっとも醒めた言い方は「百年祭は記念式典だけだな」というものだ▼戦後移民は参加しない、といっても、日系社会最大の公的団体のサンパウロ日伯援護協会は、常任理事会の主要な人たちが戦後移民である。トップの和井武一会長は、戦後初期の企業移住者といっていいし、副会長陣も戦後移住者が要所をしめている▼かれらは、身をもって(自分自身の行動において)大きな事業を推進する一翼を担ってきたし、いまの時点でも担っている。祭典協会のリーダーの一人が「文協ビルを売却する」などと言ったものだから、歴史や現実を知らないというストレートな批判になった▼参加しない戦後移民は、発言をする際に遠慮があるのかもしれない。だが、日常参加していれば、堂々とものが言える。今度の援協首脳の憤りがそれを証明した。やはり、参加しているのはいい。陰のほうででなく、参加して言うべきはちゃんと言ってほしい。(神) 

04/04/14

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