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コラム 樹海


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 秋も深まり海の幸が楽しみな季節に入った。日本人が好きな鰤もそろそろ美味しくなってきたし、紫蘇の葉をあしらっての刺し身は堪えられない。鰤はアジ科でほぼ一メートルにも達し小さいときから大きくなるにつれて呼び方が異なる。稚魚から順番に「わかし」「いなだ」「わらさ」となり背部が鉄青色・腹部は銀灰色の「ぶり」となって世に言う出世魚の代表格となる▼尤も、関西の大阪では「いなだ」や「わらさ」を「はまち」とか「めじろ」と呼ぶらしい。さて―この「いなだ」や「はまち」だが、日本では養殖物が一〇〇%に近い。南海で生まれ育った自然のものは極めて少なく価格の方も高い。やはりアジ科でカンパチという魚もとても美味で日本人が好きなのだけれども、これも近ごろは養殖で中国から稚魚を一五〇〇万匹をも輸入して育てている。いやこれだけではない。海に造られた大きな養殖場で育った魚がもっともっと多いのが現状なのである▼天麩羅には欠かせない「エビ」もだし「鮭」や「うなぎ」も「鯉」も「鯛」なども養殖天国で餌を与えられて大切に育てられたものなのである。こうした魚類が安全かというと、必ずしもそうではない。先頃のコイヘルペス病でも明らかなように絶対安全の保障はない。病気の発生を防ぐために使用される薬剤の規制もしっかりとはしていない。つまり、危険と隣り合わせで食べているのだからこれは「危ない」▼確かに養殖産業の持つ経済メリットは大きい。漁師が命を賭ける荒海の苦しい作業がないのは結構な話だ。が、人の健康が危ぶまれるような「魚類」の提供では―困るのもまた事実なのである。   (遯) 

04/04/20

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