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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2013年8月17日

 「軍と警察は男性専科」とされるが、自衛隊にも女性将官がいて 去る8月22日に退官した柏原啓子空将補もそんな一人である。驚いたことに関西学院大学を卒業し昭和54年(1979年)に一般幹部候補生として入隊し、自衛隊初の女性基地司令などの第一線で活躍した「空の勇者」である。警察はちょっと出遅れの感じもするが、先頃—岩手県警本部長に初めて女性が就任した▼話題の人は田中俊恵警視長であり、1989年に女性初のキャリアとして警察庁に入り、署長なども経験したバリバリの実力派である。将来の警察庁長官や警視総監を夢にする幹部候補生(キャリア)は毎年十数人ほどを採用する。やはり東大卆が圧倒的に多く、その昔 警視総監として勇名を轟かせた秦野章氏のような日本大学卒業は、恐らく彼一人だけであろう。勿論、田中俊恵警視長も東大卆だし、今—警察庁には約520人ほどのキャリアがいる▼この試験は難関だけれども、昇進も早い。巡査から叩き上げると、よほど優秀でも警視になるのは40歳位である。これが幹部候補生だと25歳と極めて速い。何しろ、警部が23歳だし、警視正35歳とエスカレーターに乗ったようなものである。だが、それだけに責任も大きく重い▼警視長になれば、田中氏のように県警本部長や警察庁の課長,警視庁の部長と枢要なポストに着き治安や捜査の陣頭指揮に立つ。日本の警察には、まだ男性専科の気風が残るらしく女性警官の位置は必ずしも高くはないそうだが、第二、第三の田中警視長が出現するようにと—警察庁長官にお願いしたい。(遯)

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