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コラム 樹海

ニッケイ新聞 2012年9月27日付け

 紙面づくりに携わりながら「交流」という言葉が頻出するとつくづく思う。「青少年」「人的」「学部間」「市民」などなど。日本の夏休みである8月は、編集部にも特に訪問客が多く、全く結構なことだ。実のあるものに繋がらなくとも、互いの気持ちに好意は残る▼もっと大きなレベルになったものが姉妹州県であり、姉妹都市提携だろう。ちなみに前者は11州県、後者はというと偶然にも都道府県の数と同じ47都市である。しかし没交渉というところも多いのではないか。宮城県名取市とサンパウロ州グァララペス市もその一つ。移民のふるさと帰りがきっかけで79年に提携を結んだ提携も名ばかりのものとなっていた▼このたび、日本ブラジル交流協会生ら14人が同地を訪問した(本日付け7面詳報)。震災地でのボランティア活動で見聞きした復興の様子を発表した。わずか30分だが、研修先の仕事をこなしながら、ポ語で内容をまとめるのは大変な作業だったようだ。しかし、その苦労は来場者の涙で報いられたことだろう。被災者らが作った鞠も持参、市に寄贈した▼帰国後は再度、名取市を訪問し、親書を手渡すことで市長同士のメッセンジャーも務める。5日間のボランティア活動で伝えるべきものを伝えた彼らだ。次回は1年滞在したブラジルの様子を含め、しっかりと報告してほしい▼交流が再会するのかどうかは分からない。ただ、こうした活動が何かに繋がっていくと思いたい。グァララペスという小さな町のことを、少しでも語れる14人の日本人が生まれたことだけでも嬉しい話ではないか。(剛)

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