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橋本元総理から剣道用具届く=来伯時着用の品=ブラジル剣道の発展願い

5月5日(水)

  今年二月に日伯議員連盟の会長に就任した橋本龍太郎元総理は、剣道五段の腕前を誇ることで有名だ。九六年に来伯した時にも妙技を披露している。その際、使用した防具と稽古着一式がこのたび南米剣道連盟(玉置正会長)とブラジル剣道連盟(山田法夫会長)に寄贈され、贈呈式が四日、サンパウロ総領事館であった。式には両連盟の会長とサンパウロ剣道連盟の児島修徳会長、総領事館の石田仁宏総領事、渡辺博領事、今回の寄贈の橋渡し役を務めた石井久順氏(旅行社経営)が出席。当日はブラジルの剣道事情などについても話が及んだ。

 元総理は来伯時、児島会長らと手合わせ。寄贈されたのはその際に使用されたものだ。一昨年、南米剣道連盟が発足した時、記念に作られた盾の第一番目が元総理に贈られており、ブラジル剣道界と元総理の関わりは深い。
 総領事から玉置会長へ橋本元総理の防具が手渡された後、出席者全員でブラジルの剣道事情などについて意見交換。非日系人の競技人口が増えてきている一方、防具の不足が目立つといった問題点も指摘された。玉置会長はこの席で「連盟には南米八カ国が加盟しており、各国の選手を招いて大会を行なっている」と活動を報告。
 石田総領事の「日本の心、道を絶やさないようにしていかなければ」という言葉を受けて、山田会長は「難しい問題だ。指導者が不足している」と答えた。
 一方、ハリウッド映画「ラスト・サムライ」の影響で幼少年の中にも剣道を始める子がいるとの話題になると、「今後は幼少年に期待したい」「剣道を通じた日伯交流の勢いを移民百周年にまでつなげたい」などの声が上がった。
 最後に石田総領事は「ご苦労はあると思うがこれからもぜひ剣道を広めて下さい。私もお手伝い出来ることがあれば協力します」と、ブラジルで剣道の普及に努める三人を激励した。

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