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柿と花が支えるイタペチ=“村人”団結して祭り=気持がいい適材適所の働き

5月27日(木)

 イタペチ日本人会(大浦格会長)は「第四回柿・花祭り」(壇定貞則実行委員長)を、二十一日から二十三日までイタペチ農業クラブで開催した。会場では柿の品評会、ランなど約百五十種が五百平米のハウスに並べられた花卉即売会の他に、柿を使ったお菓子、農機や家庭用品販売などの大小約百店舗が集まった。
 農業技師らの審査による柿品評会は、富有柿部門は細谷武男さん、祇園坊(渋柿)部門はフェルナンド小川さん、ラマ・フォルテ部門は児玉ヒデオさんがそれぞれ第一位となった。
 一箱(七~九個)八~十レアルで販売された柿は昨年と同様好調な売れ行きをみせた。また、イタペチの産物であるポンカンや梅酒、梅干し、柿を加工した干柿や柿ジャムも販売されていた。毎年訪れているという参加者も「安いからつい買ってしまう」と話す通り、スーパーなどで買うよりもはるかに安く買うことができる。 
 大浦会長が「家族総出でやっています」と語るようにイタペチ青年会、日本人会、婦人会、老人会の四団体が力を合わせて祭りを運営している。
 「資金稼ぎももちろんだが地域の親睦や、ブラジル人も一緒になった地域の発展が大きい」と野村愛國老人会会長は祭りの意義を説明する。ヤキソバ、ドラ焼き作りを担当した婦人会(梶田初美会長)は「みんなが適材適所で働いている。自分のことはさて置いて村のために、と全員で頑張っているのがいい」と元気がいい。ヤキソバ販売を手伝う青年会の少女は「また来年も手伝いたい」と笑顔を見せた。
 会場を訪れた酒井定男モジ市会議員は「イタペチはモジ市の中でも小さい地域だが、柿と花がイタペチを支えている。イタペチにエネルギーをもたらしている物をたくさんの人たちに紹介したい」と意欲的だ。
 参加者は「毎日の市場こそが一番の品評会」と冷静に祭りを見つめる人や「生産者を身近に見て買えること、生産者同士の交流につながること、関心が高まることが良い」と農業者としての視点で眺める人、「シメジやシイタケが珍しく、値段も安い」と買物を楽しむ人など様々だった。
 五レアル以上の入場券の入場者に柿一箱がプレゼントされ、両手いっぱいの買物で会場を後にする参加者も多く見られた。

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