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サンパウロ日本館構想=「100周年とは無関係」=提案者・天野氏、実現に自信

6月2日(水)

 東京都在住の実業家、天野鉄人さん(六六)が五月三十一日午後七時から、リベルダーデ区のギンザ・プラザ・ホテルで、『サンパウロ日本館建設構想』について記者会見を行った。
 「資金調達は私一人でやります。メドは立っている。ブラジル側でやってもらいたいのは、声を大きくして盛り上げてもらうこと。百周年事業とは全く関係ありません」と天野さんは自信満々に語った。
 リベルダーデ広場の隣接地三千三百平方メートルの土地に十七階立てビルを建設する構想だ。延べ床面積は一万四千三百五十平方メートル。また地下ガレージ七千平方メートルを含めると合計二万一千三百五十平方メートルになる。用地のかなりの部分は購入済み。しかし、予定地の一部に史蹟指定建築がある点が懸念材料のよう。
 建設目的は日系団体が手軽に利用できるスペースの提供。文化協会、県連、囲碁・将棋クラブ、料理クラブ、社交ダンス・クラブ、カラオケ・クラブや茶道・華道クラブなどの団体に利用してもらう。その他、日伯情報センター、日伯青少年留学交流センター、出稼ぎ相談窓口、帰国者起業支援窓口、日系人用宿泊施設(老人クラブ経営)を予定している。
 日伯学園や日系国際大学の設立構想もある。バイオテクノロジー学科、土壌地質学科、コンピューター情報学科や日本学・日本語教師養成科などユニークな学科を擁する大学となる。
 天野さんは「移民百周年祭に来られる、皇室の方には恥はかかせられないので、是非とも完成させたい」と力説。最後に「私も含めてブラジルを愛している人がいます。ブラジルのために力になりたい。こんな私ですが大いに使ってください」と力強く語った。
 ピニャール移住地などに複数の日本語図書館建設を約束し、実行してきた天野さん。「今回も私は実行します」と語気を強めた。同日本館構想は、百周年祭典協会に記念事業案として提案されていたが選ばれなかった経緯がある。

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