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演奏は「心の和」で=6日公演野村流関係者らが会見

6月4日(金)

 琉球古典音楽のひとつ、野村流音楽協会の喜友名朝宏会長らが六日の公演(沖縄県人会)を控え、三日、同県人会で記者会見した。今公演はブラジル支部創立五十周年を記念している。喜友名会長は「野村流音楽を携えブラジルへ移住した多くの先輩方へ敬意を表し、ブラジル支部の皆様と一緒に、心を込めて演奏させていただきたい」と意気込みを語った。協会一行の来伯は三回目。日本から四十人が参加する。
 会見には会長のほか、比嘉恒夫事務局長、公演で野村流音楽に合わせて踊る柳清本流保存会の高良和子さん、ブラジル支部の仲宗根繁夫支部長、実行委員会の知念直義委員長、沖縄県人会の宮城調智会長らが同席した。
 野村流音楽は、琉球王朝最後の王が三味線の弦楽譜を作るよう命じたことに由来する。この際作られた音楽に後年声音が加えられ、昭和十六年(一九四一)、現在のスタイルが完成。野村安趙を創始者とする。
 「琉球古典音楽の特徴は『心の和』」と協会の大城朝徳副会長は強調。「琉球音楽に指揮者はいない。各演奏者それぞれが、周りのみんなに合わせようと努めることにより、演奏が成立する。みんなの心の和が必要なのです。かつて沖縄県コンベンションセンターで、六千二百人で合同演奏したこともある」。
 「本部とブラジル支部とは一緒に演奏する機会はほとんどなく、距離的にも離れているが、公演ではぴったりと息が合うでしょう」と自信を見せた。
 踊りの柳清本流は、比嘉清子によって創立された琉球舞踊の流派。その後、比嘉清子自身によって十二の会派に分けられた。高良さんは、そのひとつ、和華の会の初代家元。野村流音楽のしっとりした楽曲が、琉球古典舞踊の女踊りには欠かせないという。
 柳清本流和華の会はこの時期、オーストラリア公演が決定していたが、「オーストラリアではまた演奏できるが、五十周年という機会は一回しかない」と、来伯を決めた。
 知念実行委員長は「本部から会長直々においで頂き本当にうれしい。盛大な催しになりますので、皆様どうぞお越しください」と来場を呼びかけた。
 公演は午後一時から。詳細問い合わせは電話11・3106・8823(沖縄県人会)。

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