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コラム 樹海

  先立って「ピンガ学」について愚論を書き連らねました。ところが敵は我が編集局の若い同僚から挙がり「ピンガ論」を叩きこまれました。改めてですが「学」ではありませんと遯生は理解しております。その指摘はミナス州産の「アニジオ・サンチアゴ」を知らないのか―の詰問の如き口調でありました。昔の名前は「ハバナ」だそうで知る人々には銘酒の誉れが高かったそうです▼噂は耳にしていたので数年前に某所の店で現物を見た事があります。値段が二〇〇レアルとかなり高いし懐が寂しいせいもあって買いそびれましたし今も吟味はしていないのですが、同僚によると「二五〇~三〇〇レアル」が相場らしいのです。確かに「美味であり豊饒な香り」が五臓六腑に染み渡る。そんな「美酒」なのに違いありません▼だが―です。同僚の言によれば「醸造期間は六年か八年」だそうです。その昔、パラナ州のバンデイランテの高橋さん宅を訪ねました。ピンガを造っていましたしあるいは「生業」だったのも知れません。そのときにご当主からピンガを醸造する大きな桶の前で講釈を賜わりました▼当方はカイピリーニャ党なのでピンガの本当の味はよく解りません。でも―と思い「ピンガの旨さは醸造期間か酵母か」と尋ねたら「そりゃ醸造の長さが決める」とあっけもないお答え。やはり旧「ハバナ」は美味なのです。      (遯)

04/06/05

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