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有機コーヒー試して=フェアトレード関係者が生産者視察

6月22日(火)

  途上国生産者のため適正な商品取引を目指す運動を展開しているNPO、日本フェアトレード委員会から村田武理事長(九州大学大学院農学研究院教授)ら関係者九人が十二日、ブラジル有機コーヒー農園スタディーツアーのため来伯、二十一日まで滞在した。
 ミナス・ジェライス州マシャード郡に広がるジャカランタ農園で有機コーヒーの大規模栽培を、ポッソ・フンド郡では小農家による有機栽培の現場を見学するなど精力的に動いた。
 有機コーヒーとは、無農薬、無化学肥料で作るコーヒーのこと。現在、供給過剰によりコーヒーの国際価格が暴落しており、小農家の多くは生産費を回収できない状態に陥っている。そのため、フェアトレードによって、適正価格を回復させる必要があるが、フェアトレード商品は一般の市場価格より割高になるため、別の商品価値を加えることが望まれる。
 その付加価値のひとつが有機栽培。無農薬の農作物は安全性などから世界中で注目を集め、もちろん環境にも良いことが明白となっている。
 「有機栽培の優位性を目の当たりにすることができ、お金と時間をかけて来た甲斐があった」と村田教授は語る。消費者に対しても一言、「生産者の生活を保障する義務がわれわれにはあります。有機栽培のコーヒーをぜひ試してみてください」と呼びかけた。

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