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高倉候補、選挙戦に突入=渋谷で第一声=食料基地・南米訴え=ロス皮切りに海外遊説

6月25日(金)

  高倉候補が渋谷で第一声――。第二十回参院選が二十四日、公示され七月十一日まで十七日間の選挙戦に突入した。自民党の比例区公認として初めて出馬した高倉道男候補(63)は、届出名を「ミチオ高倉」として選挙活動をスタート。東京・JR渋谷駅前でマイクを握り、「南米からの食料供給体制の構築」などと有権者に訴えた。在外選挙人名簿に登録した八万人以上の在外邦人に支持を呼びかける高倉候補。米国ロサンゼルスとパラグアイに立ち寄った後、二十七日にはサンパウロ市内で遊説する。ブラジル各地の総領事館では二十五日から公館投票もスタートする。
 午前十時すぎ(日本時間)に同駅前のハチ公前に小泉純一郎総裁や他の比例区候補らと姿を見せた高倉候補。比例区候補者が順に第一声を上げる中、高倉候補は四番目にマイクを握り、通行人に自らの公約などを熱く語りかけた。
 「日系の農業者が多い南米は、いざという時に日本の食料供給を支える」「不振が続く日本の中小企業も、南米に進出すればモノ作りの技術の高さを生かせる」と自らの政策を主張。また、欧米やアジアに目が向きがちな日本の現状に対し「日系人を数多く有する南米にも目を向けて」と呼びかけた。
 また、海外遊説に出発するため、成田空港に移動した高倉候補は、同空港のVIP室で記者会見を開いた。
 パラグアイで邦字紙「日系ジャーナル」を経営する高倉候補は、「海外のジャーナリストとして、母国日本を眺めてきてきまして、色々感ずるところありまして、今回、海外日本人代表として自民党比例区公認候補になりました」と、出馬の経緯を説明。
 また、一九九九年に在外選挙権が出来たが、そのハードルが高く、難点が多々あること、登録手続き者数ものびず、世界中に七十万票といわれるなかで、その十パーセントに満たない現状で、日本の各政党も海外の有権者への期待がすっかり薄れていることを指摘。「海外有権者のこのような状況の中で、やはり海外から自分たちの声を代弁する代表を送らなければならないと決意した」と、盛り上がらない在外選挙権が出馬を決意させた、と熱く語った。
 第一声でも訴えた日本の食糧基地としての南米の重要性や、現在の日本の中小企業の危機状態も南米に目を向ければ解決につながるとの持論を展開。
「南米は食糧の宝庫であると同時に人間の宝庫です。
日本の少子高齢化が進んでいるなかで、南米は若者が増えています。中小企業の海外進出のお手伝いをしたい」と記者らに主張した。
 海外遊説の日程はロサンゼルスで二十五日、二十六日には地元パラグァイで総決起大会、その二十七日午後からリベルダーデ区内で支持を訴える。

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