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5月の失業率、12・8%へ減少=雇用、大サンパウロ市圏で顕著=選挙年で公務員大増員=「最悪期は脱け出した」 IBGE

6月26日(土)

  【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】ブラジル地理統計院(IBGE)は二十四日、全国で失業率が、四月の一三・一%から五月は一二・二%へ減少したと発表した。昨年五月が一二・八%であったことで、昨年同月比でも減少した。失業減少は、大サンパウロ市圏が顕著で、特に目立ったのは医療や教育、サービスの各部門、大量に人員採用を行った公的機関であった。しかし、勤労者一人当たりの所得は、引き続き低下している。

 雇用創出のけん引役となる工業分野の採用は、目立ったものがなかった。IBGEは雇用回復宣言にはまだ早いが、最悪時は終わったとみ、六月の成り行きを見守っている。
 サンパウロ市やリオ市、ポルト・アレグレ市など六大都市で五月の新規雇用が十四万八千人分あり、完全失業者は減少している。その中で雇用が大サンパウロ市圏に集中した。サンパウロ州とサンパウロ市が、採用した下級公務員は六万七千人もいた。公務員は四月の百九十五万人から、五月は二百十万人に増員されて二・五%増えた。
 大都市の五月における勤労者一人当たり所得は、前月比で〇・七%減、昨年同月比で三・三%減と落ち込んでいる。しかし〇四年一月時点の前年同月比六・二%減から見ればやや回復している。最悪は、〇三年七月の前年同月比一六・四%減であった。
 例年の慣例からみると雇用回復は、六、七月から始まる。今年は地方選挙のため公的機関が選挙の三カ月前から票獲得のための情実採用を始めたので、早期回復が始まったという見方だ。選挙のための雇用創出や情実採用は、公職選挙法で禁じられているが、守られたことはない。
 下級公務員採用が、〇・八%の雇用創出に貢献した。毎年下半期は雇用回復の時期であるが、今年末の失業率は一〇%位で収まるとみている。〇三年末は一〇・九%であった。IBGEは、本格的な雇用回復を〇五年以降とみている。
 IBGのE資料では非正規労働者が、引き続き前月比一・八%増、昨年同月比六・一%増と、正規労働者数の伸びを上回った。露店商や行商人などの無許可営業者は前月比では二・六%減少したが、昨年同月比では三・八%も増加した。
 労働省やサンパウロ州工業連盟(FIESP)の調査は調査方法が異なるので、結果も異なる。労働省は正規労働者のみを対象とし、五月の就職は二十九万人、昨年同月比一〇八%増。FIESPは採用と解雇の差で集計して、五千八百人が就職。前月比〇・三八%増となった。全国調査では、工業地帯と農業地帯は産業の動向により、雇用への影響の度合いが異なる。
 サンパウロ州の地下鉄公団が、四億六千二百万レアルを投じ「みどりの線」を建設する。工事を請け負ったアンドラーデ・グッチエレス建設会社は二十四日、百六十三人の単純労働者を採用した。さらに十月までに、合計で六百人を採用予定。工事期間は二年。他にサンパウロ州政府は五月、公共工事のために単純労働者十二万人を月給七百レアルで採用した。

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