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コラム 樹海

 今年もまた「日本祭」がやって来た。これが始まった頃は「郷土祭」と呼びそれぞれの村や町の素朴な味を楽しむという趣向である。どんなに時代が移っても古里の食べ物は懐かしく旨い。かなりな手間が掛かるし今流行のファースト・フードとはまったく違う。そのじっくりと手をかけるところが「お袋の味」を造り出し口中に広がる味わいを与える▼秋田の「きりたんぽ」は山の味だが料理は決して簡単ではない。ご飯を半殺しにし杉の棒に搦め炭火に炙ってこんがりと焼く。鶏の吟味がこれまた大変。秋田では比内鶏と決まっているけれどもサンパウロでは似たような地鶏を探すしかない。熊本の「芥子蓮根」にしても、肥後の国でない人には難しい。煮た蓮根にどうやって芥子を詰めるのか。ビデオの番組で少し見たけれども、あれは素人には無理な感じがする▼と、郷土料理にはお袋やお婆ちゃんの汗が染み込む。山形の蒟蒻と埼玉県の焼き芋が面白い。記憶が定かではないのだが、コンニャクの消費量は山形が日本一らしい。それにちなんでの料理なら鄙びた風味が人を呼ぶ。埼玉の川越は江戸の頃から薩摩芋の名産地である。今でもあの町に行くと菓子屋はさながら「芋尽くし」なのである。恐らく―そんな伝承の味に挑戦しようの心意気と見たい▼前回までは「焼きそば」を郷土食とするところが多く批判の的にもなったが、今回は二、三になったは喜ばしい。やはり―古里の味に拘るのが筋だと熟年組は思う。   (遯)

04/07/24

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