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コラム 樹海

2007年7月4日付け

 大相撲名古屋場所が始まる前、実施を予定した新弟子検査が中止となった。応募者がゼロだったからだ。九〇年代後半から、日本人の志願者の減少傾向が著しく、早晩こうなるのは予想されていたことだった。外国人の入門希望者を制限している現在、当然の帰結だったのである▼モンゴルのウランバートルには相撲学校(道場)があり、少年たちであふれていると聞く。全般的に低所得の東欧州でもハングリーの気持ちが旺盛な青少年たちが、〃金のなる木〃があるとみる日本の大相撲を目指したがっている。制限が設けられなければ、大相撲力士は外国人に占められるかもしれない。少なくとも、関取は外国人で世話係の付き人が日本人、という図ができあがる可能性がある▼名古屋場所の番付をみると、小結以上の役力士九人は5対4で外国人が上回った。先場所が終わった時点で、コロニアの大相撲ファンも星取表とにらめっこして、日本人力士が劣勢になるのはわかっていた▼新弟子応募者がゼロで検査が中止されたときの、協会のコメントは「名古屋場所の時期は就職シーズンから外れている」だった。この説明がすでにプロ相撲である大相撲の現状を表している。入門することを就職だとはいっていないが、プロフェッショナルの頂点を目指す若者が、時期を問わず、門を叩く、というのが本来のあるべき姿なのだ▼「めしが食えるようになった世の中」においては、これも致し方ないとは思うが、やはりちょっぴり淋しい。(神)

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