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コラム 樹海

 サンパウロはいま日本食ブーム。確かに街を歩くと日本食の店が目につく。伯字紙(誌)によれば、シュラスコ店を凌駕しているそうだ。昔と違い焼き肉店に寿司コーナーが設けられる時世だ。焼き肉を食べ、寿司も食べたい客をねらう商魂に抜かりはない▼海外で日本伝統の料理をと高尚に構えても食材を調達するのは容易なことではあるまい。郷に入っては郷に従うほかない。寿司の場合、客の注文に応じて、時にはへんてこなネタも使わねばならぬ。同業との競争は激しいが、美味い寿司を握ることによって顧客を満足させ得る。そこは粋な調理師の腕ひとつにかかってるといえよう▼伯字紙が醤油のとり過ぎはよくない――と警鐘を鳴らした。至極尤もな話でそれに越したことはない。いつだったかあるパーティーで寿司が出た。丼ようの大きな器に醤油が並々満たされいる。寿司をこれに浸して口に運んでいる人を目にした。このような作法?で醤油を多量に摂取するとしたら正に警告ものだろう▼塩分とり過ぎの危険性は常識化している。とくに高血圧患者は敏感だ。日ごろ減塩に取り組んでる人はかなり多い。それにしてもいきなり醤油が槍玉にあがって驚いた。塩分の摂取過多を防ぐには、制御する側(各人)の自覚に待つ以外ない▼日本食には味噌、醤油、それに漬物も欠かせない。醤油は伝統を踏まえた特有の捨て難い香りがある。塩分の〃塩梅〃さえ弁えていたなら心配無用だ。 (田)

03/08/20

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