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南伯ドイツ人も大感激=井上祐見さんイボチ公演=「最高、来年もぜひ来て」

7月31日(土)

  演歌歌手・井上祐見さんの第六回南米ツアー・コンサートの南大河州イボチ市公演「あなたに会えて、よかった」が、二十七日午後七時より同市日本人会館で開催された。約三百人の観客が押し寄せ、立見がでるほどの盛況ぶりだった。
 この公演はドイツ移民百八十周年記念行事として、第十七回イボチ・ドイツコロニア祭の公式プログラムに指定されていた。南伯カラオケ愛好会(上村栄次郎会長)が主催、イボチ日本人会(吉岡唯男会長)とイボチ市役所(アルナルド・キネイ市長)が後援した。この南米ツアー・コンサートはダイドー商事の園田昭憲社長の尽力で実現した。
 午前十一時三十分に、井上さんと中嶋年張マネージャーはキネイ市長を市役所に表敬訪問、プレゼントの交換などをした後、市内のレストランで一緒に昼食。その後アンドレア・シュネック同市文化担当部長の案内で、サン・ジョゼ病院の老人を慰問した。そこではドイツ系老人達にオリジナル曲「根来恋歌」を歌った。言葉は通じなくとも、老人達は盛んに拍手をして喜んでいた。
 七時から始まった公演には近郊のノーヴォ・ハンブルグやサンレオポルドなどから約三百人が押し寄せて満席となり、立見客もかなりでた。ドイツ移民が開拓した町だけに、ドイツ系子孫も多く来ていた。
 両国の国歌斉唱、上村会長とキネイ市長のあいさつ、同市の青少年によるフォークダンスの後、井上さんの歌謡ショーが始まった。聴衆の多くは振り袖を大胆にカットした舞台衣装に目を奪われながら、歌唱力と声量豊かな井上さんの演歌に聞き入っていた。
 またマネージャーの中島さんとの息の合った掛け合いや、舞台を降りての聴衆との楽しい会話などで大笑いする場面も多く、楽しいショーが三時間も続いた。
 アンコール曲を歌い終わった井上さんは、会館出口で聴衆一人一人に握手をして送り出した。多くの人はサインを求めたり、抱擁したりと最後まで別れを惜しんだ。
 ショーを終えた井上さんは「こんなに多くの非日系ブラジル人の前で歌うのは初めてで、幕の開く前は不安でした。でも、皆楽しんでくれたみたいで来たかいがありました」と額の汗を拭った。
 中嶋さんは「さわやか商会の和田好司社長や日本人会の皆さんのお陰で、こんなすばらしいショーができました。皆さん満足して帰られたので、芸人冥利に尽きます。できればまた帰ってきてショーをしたい」と述べた。
 鈴木貞男南日伯援護協会副会長は「いやー、コロニアができてから初めての日本人プロ歌手のショーで、本当に最高でした。来年も来てほしい」と満面に笑みを浮かべた。
 初めてプロ歌手のショーを観賞した宮部エリカさんは「迫力が違いますね。本当にファンタスチックで、ぜひ来年も来てほしい」と希望を述べた。
 キネイ市長は「歌詞の意味は解らなくても、井上さんのメッセージが歌と一緒に伝わってきた。本当に来てもらってよかった」と感謝していた。
 最前列で聞いていた、非日系のアンドレアさんは「市のコロニア祭りに花を添えてくれました。今夜のショーは市の歴史の一ページとして長く語り継がれるでしょう」と興奮した様子で語った。
 井上さんは愛知県豊橋市出身の二十八歳。南米ツアーを始めた動機は、九八年NHK「ブラジルのど自慢」放送を見たことから。「ブラジルには、日本人が失った人とのつながりや優しさが残っている。どこか自分と波長が合うブラジルのお年よりの前で、私の歌を聞いてもらいたいと思って」という。
 ステージではダイナミックな歌唱と楽しいおしゃべりを展開するが、普段はおとなし目で、しっかり者との評判。目標とする歌手は和田アキ子さん。六年連続の南米公演ですっかりブラジルでも有名になった。「コロニアが育てた日本の演歌歌手」ともいわれる由縁だ。

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