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サンパウロ市議会から功労章=伊藤元ブラジル名誉領事に

9月1日(水)

 北海道商工会議所連合会の伊藤義郎名誉会頭は、二十九日の「北海道人ブラジル移住八十五周年、ブラジル北海道協会創立六十五周年記念式典」に出席するため、来伯。
 同式典中、サンパウロ市議会から功労章を受章、ウィリアム・ウー市議からヂプロマが贈られた。伊藤さんは、一九七九年二月から二〇〇三年一月まで、札幌駐在ブラジル連邦共和国名誉領事を務め、ブラジルと北海道のかけ橋として活躍した。
 名誉領事になってほしい、と依頼が来たときには「なんでブラジルなんだろう、と疑問に思いましたが、忙しい仕事でもなさそうなので引き受けました」と当時を振り返って笑う。
 名誉領事として、北海道交流センター(一九九五年完成)設立の資金集めに奔走した。管理費が工面できないことを理由に宿泊施設併設は中止、予定より二年遅れの完成となったが「非常にいい建物ができた」と安堵の表情を覗かせる。
 伊藤さんはまた、ブラジルに住む北海道人の後継者育成に力を入れてきた。留学生の数を増やし、研修制度を新たに設けてブラジルと北海道の若者の交流を促進した。
 「私も三世なんです」。伊藤さんの祖父は新潟県から北海道へ渡った開拓者だった。しかし伊藤さんは新潟に特別な愛着は感じないという。
 そんな自分と比べて、ブラジルでは「多くの二、三世が会員に加わり、日本語が分からなくても協会に来る」と感心し、しっかりと組織立った同協会を高く評価している。
 この日の式典についても「北海道協会だからこういう式典ができる。感激しました」と話した。

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