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ブラジル国内に1本だけの『桜』=サンパウロ市東洋街の一角に白い花=〃フルサト・サクラ〃です

9月15日(水)

 二〇〇二年十一月の吉日に、サンパウロ市東洋街の一角、Rua Conselheiro Furtadoに面したアルメイダ・ジュニオル公園に植えられた三本の桜の一本が、非常に希な樹種であることが判明した。桜の専門家として知られる東京農大卒の沖眞一さん(広島県出身)が、去る十一日、発見した。
 この桜は、静岡県浜松市にあるフラワーパーク初代園長の古里利夫さん(一九九四年没)が、中国実桜と沖縄桜を交配して作りだした新品種で「フルサト・サクラ」と命名されている。暖かい地域に向くだろう、という思いで、浜松市在住の佐野守彦さん(東京農大卒)が後輩の沖さんに苗木を送ってきた。その苗木を育てた沖さん自身が、そのことを忘れて植えた。
 公園は、サンパウロ市、オイスカ、ダマージオ法律学校の共催事業として整備され(本紙・〇二年十月五日報道)管理も共同で行われている。
 九月十一日早朝、公園前を通りがかった沖さんが、咲いている花を見て、新種の桜のことを思い出した。花は小さいが、白色で、花弁が風に舞う姿に風情がただよう。サンパウロ州内では、平地で咲く桜が白色なのは珍しい、といわれている。もちろん、フルサト・サクラはブラジルに初めてお目見えした桜である。ヒマラヤ桜、雪割り桜、沖縄桜(寒緋桜)に続く第四の桜として普及される機会が来た。
 今季の開花は初めてのため、花の数はわずかにすぎないが、生育状況が良く、来年以降の開花が楽しみである。今週いっぱいは花が見られそうだ。

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