ホーム | 日系社会ニュース | 2世の来場者も詰めかけ=「亡父にも見せてあげたかった」

2世の来場者も詰めかけ=「亡父にも見せてあげたかった」

9月16日(木)

 小泉純一郎首相の歓迎会(十五日)の会場となった文協大講堂には、日系人ら千二百人が詰め掛けた。午前六時から開場を待つ人や介護人に手を引かれてくるお年寄りの姿があるなど、スター並みの熱狂ぶりだった。小泉首相への思いなどについて、来場者に聞いた。
 二世の牧野泰治さん(69、年金生活者)=サンパウロ=は日本の歴史に関心があり、毎日NHKをみている。マリリア市の出身。戦争中に学校でブラジル人から嫌がらせを受け、警察に拘束された親戚もいる。それだけに、父祖の国に対する思いが強い。
 「日本の改革をやり遂げることの出来る人は、小泉首相以外にはいないでしょう」と言い切る。
 相沢絹代さん(66、新潟県出身、年金生活者)と猪野ミツエさん(75、和歌山県出身、年金生活者)は十三日に新聞報道をみて歓迎会を知った。直ちに、老ク連を通じて入場を申し込んだ。
 花嫁移民としてブラジルに移住して四十五年になる相沢さん。「地球の反対側で時の首相を肉眼でみるなんて、言葉にならないくらいうれしいです」と喜んでいた。
 「日本人の血をひいているから、駆けつけました」。そう力強く語るのは、二世の塚本真智子さん(52、主婦)。一度も里帰りをすることが出来ないまま、二十年ほど前に死去した父親の姿が頭をよぎる。
 ノロエステ線のビラッキの出身。幼い頃から、コロニアの運動会や演芸会に出演した。父は佐賀県の生まれで、故郷は有明海のそばだった。日本の四季の美しさなどをよく口にした。「父にも、小泉首相を見せてあげたかった」。

image_print