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和太鼓育成、父兄の熱意=アチバイア花祭りで募金

9月17日(金)

 サンパウロ市から約六十キロのアチバイア。今月初旬に始まった第二十四回花といちご祭り会場に、TAIKO(太鼓)の店が初めて登場、来場者の関心を集めている。和太鼓を売る店ではなく、子供たちの太鼓熱を支えるために、父兄たちが始めた募金活動の一環だ。
 アチバイア日伯文化体育協会(辻修平会長)が太鼓を始めたのは、二〇〇二年四月で、比較的歴史は浅い。JICAシニアボランテイアの小田幸久さん(福岡県)の指導を受けることを文協が決定して、日本人学校長の青山明政さん(愛知県出身)が太鼓部長を兼務することになった。
 部の名称を『アチバイア川筋清流太鼓』と命名した。〃川筋太鼓〃は福岡県の筑豊炭鉱の犠牲者を弔う鎮魂の太鼓として、一九六〇代初期に登場した。勇壮な打法を特徴としている。
 〃清流〃はインジオ語でアチバイアを指す表現だ。文協老人会の名称も清流会だ。今は、六歳から七十歳まで、四十人ほどが太鼓を修行している。「ネルソン吉田さん(二世)がこの店舗の責任者となることを申し出てくれました。彼は花祭り会場の飾りつけの中心人物でもあります。六歳になる娘さんも太鼓を学んでいる一人です。おかげで、父兄が一体となって募金活動に参加するようになりました」と青山部長が出店の意義を強調している。
 自力本願に向けた行動も始まったばかりだ。アチバイア花祭りは、九月十七日~十九日が最終日程となる。まず、鳥居をくぐり、会場いっぱいに広がる数々の花や、花で飾られた五重塔を堪能して、川筋清流太鼓の演奏を見て、TAIKOの店に立ち寄るのがおすすめコースの一つだ。
 子供たちには日本語学校が主催している「おりがみ教室」が楽しめそうだ。文協食堂では、名物となった〃搗きたて餅〃が、行列ができるほどの人気を集めている。
 アチバイア花といちご祭りは、日系社会が誇る日本伝統文化の発信地としての地位と評判を確立している、と言っても過言ではないようだ。

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