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墨の幽玄を堪能=ローマ字の書も=書道愛好者展

9月28日(火)

 ブラジル書道愛好会(若松如空会長)主催の第二十五回ブラジル書道愛好者展が二十五、二十六日の二日間、ブラジル日本文化協会で開催され、約五百四十人が来場し、墨による濃淡の幽玄世界を堪能した。
 日系美術館と貴賓室に分かれて百八十五点が展示された。ノミで木版を削って彩色する珍しい「刻字」、三千年前の古代文字を使う篆書(てんしょ)、紙幣で使われる隷書などから、比較的身近な近代私文書、カナまで、いろいろな書が展示され来場者の目を楽しませた。
 「自分の言葉で書かせると、生き生きしてくるんですよ」と、若松会長はアルファベット書の長所を述べる。同展には、昨年の毎日新聞主催の国際高校選抜書展に入選、入賞したアルファベット書作品十七点も展示された。
 ダンボール紙を筆代わりにしたアルファベット書を広めるなど、ブラジルに書道を普及するために献身した故・渡辺少南さんの遺作も展示された。「ブラジル独自の書のあり方を試行錯誤した一つの結果が、そのような方向性になった」と若松会長はいう。
 二十六日には模範演技が貴賓室で行われ、JICA青年ボランティアとしてバイーア州で書道を指導する竹内美礼さん(27、愛知)が三点、七人の先生らがそれぞれ一点したためた。約百二十人が固唾を飲んで見守る中、竹内さんらは精神を集中して、会心の筆運びを披露した。
 若松会長は「ブラジルは書道を世界に普及するための、実験場だと思う。ここで試行錯誤すれば、どう世界に広げることができるか、分ってくるのでは」との展望をのべた。現在、国内には約六百五十人の書道人口があるという。

 

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