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コラム 樹海

 ブラジルは大きい。明日の三日に実施される市長・市議選挙には五千五百六十三もの都市が顔を並べる。小さいなところは一万人から大はサンパウロのように一千数百万人の超大都市と選挙を取り巻く状況は色とりどりだが、どの候補も「勝利は我が手に」と弁舌爽やかに笑顔を振り撒きながら頑張っている。日系ではモジの安部市長も再選を目指しているしパラナ州で奮戦している候補もいる▼が、何といってもサンパウロの激戦は物凄い。現職のマルタ候補とPSDBのセーラ候補の戦いは五分と五分。曾ては名門の名を欲しいままにしたマルフ氏は、知事や市長として大きな仕事をした人なのだが、何かとよからぬ噂がつきまとい、今回はあまり芳しくはない。あのエルンジーナ元市長も人気度は低いし、どうやらマルタ女史とセーラ氏の決戦投票になりそうな気配だ▼マルタ氏はPTでありルーラ大統領の仲間。一方のセーラ氏も軍政に反発し民主化と自由を勝ち取るために闘った人である。選挙運動でも地下鉄に乗り市民に語りかけているのが印象的であった。その昔、某有力財界人が州知事選挙に出馬したのはいいが、地下鉄に乗り「初めて乗りました」と語って州民から総スカンを食らい敗退したのとは―大違いでセーラ氏が真からの庶民派なのが市民に受けるらしい▼市とは言うもののサンパウロは東京やニューヨークと同じようなメガロポリスでありその影響力は大きい。そのトップである市長を誰を選ぶかは三日の投票で決定される。  (遯) 

10月2日(土)

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