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ブラジル山ぶどう=健康食品商品化なるか=モジの企業=日本の大学と共同開発中=ありふれた蔓科の植物=糖尿病、リュウマチ向け

10月6日(水)

 野原の茂みや川の流域の低湿原でみられるブラジル・山ぶどう。蔓科の草で、よく編み物やかごの材料に使われている。このありふれた植物が、糖尿病やリュウマチに効くことはあまり知られていない。商品化に向けて、MNプロポリス社(モジ・ダス・クルーゼス、松田典仁社長)が日本の大学と協力。研究開発を進めている。俗名は、ずばり「インスリーナ」だ──。

 「インスリンの成分はそんなに含まれていません。でも、人によって大きな効果が現われる。薬草は、信用して使うのが肝心ですよ」
 橋本梧郎博物研究会顧問も、ブラジル・山ぶどうの薬理効果を認める。関係者によると、糖尿病に悩む女性の血糖値がいっぺんに下がったという事例も。
 日本では、ワインにするのが人気のようだ。ブラジル産は甘みが足りないので、茎や葉を煎じて飲むのが一般的。
 「十グラムほどの茎や葉を刻んで乾燥させ、五百ミリリットルの水に入れ、とろ火で半時間煮る。それを日に二回、飲めば良い」と、橋本顧問はアドヴァイスする。
 MNプロポリス社は二年ほど前から、北海道大学や鈴鹿医療科学大学などと協力。成分分析や臨床試験を行なっている。
 松田社長は「三十~四十年前からインスリーナの存在を知っていました。いつも、何とかならないかと考えてきました。良い結果が出そうなんです」と声を弾ませる。
 同社は、ブラジル・山ぶどうを使った茶を売り出す方向で検討中だ。「日干しにするのか真空にするのかなどを研究しており、政府の承認を取り付け、商品化出来るにあと二年ほどかかるでしょう」(同社長)
 ブラジル・山ぶどうの学名は、シスス・シショイデス・L(Cissus sicyoides L)。蔓の長さは一メートル~六メートルに達する。発熱の際の発汗剤や高血圧の薬になるほか、外用薬として、リュウマチなどに効果がある、とされる。

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