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文協選挙=木多氏が当選=「統合と進歩」モットーに=悔しさ滲ませる小川氏=全106評議員が投票

ニッケイ新聞 2009年4月28日付け

 木多氏が文協新会長に――。二十五日午前、「第百三十六回文協定期評議員会」で評議員会幹部・理事会選挙が行なわれ、小川彰夫氏を会長候補とする「チェンジ文協」を六票引き離し、体制側「統合と進歩」が五十四票を得て、木多喜八郎新会長が誕生した。文協の歴史初となる全百六評議員が投票(うち二十四委任状)した。評議員幹部選挙でも「統合と進歩」が五十四票(チェンジは四十六票)を取り、両会ともに現体制が強さを見せつけ、地方を取り込み、変革を旗印に票を伸ばした「チェンジ」を抑える形となった。惜しくも涙を飲んだ小川氏は、「勝てると思っていたけど、これが選挙。新執行部に望むことはゼロ。渡部和夫体制が続くことは間違いない」と悔しさを滲ませた。

 午前九時から始まった評議員会で上原幸啓会長は、文協会長として、最後のあいさつを行なった。
 三期六年の会長職を振り返り、「山本喜誉司初代会長の精神に則って、これからの文協を応援して欲しい」と関係者からの協力と支援に感謝の意を表した。
 十時過ぎには、文協始まって以来の全評議員百六人(うち二十四委任状)が出席、改めて文協選挙への関心の高さを覗わせた。
 山内淳文協選挙管理委員長の司会により、評議員幹部・理事会シャッパへの投票が行なわれ、原田清副委員長が開票を行なった。
 評議員会幹部選挙では、「統合」シャッパが八票差で「チェンジ」を破り、会場には、安堵感や動揺が入り混じったため息が漏れた。
 続いての理事会選挙でも「統合」が同数、「チェンジ」は二票多い四十八票を取ったが、六票届かず、体制派が強さを見せつける形となった。
 これから二年間、文協会長としてコロニアを牽引する木多氏は、「運営は難しいが、評議員全員の協力を頂いて、頑張っていきたい。日系人の信用を損なうことなく、日本文化の継承活動を続けていく。我々のシャッパのメンバーは〃統合と進歩〃のため、準備万端です」と顔を紅潮させ、勝利宣言を行なった。
 小川氏は「この選挙のやり方を見ても、会員の不満の声を聞こうとする意思や意識がない。現体制の力では、物事は変わらない」と話し、二年後の再出馬に関しては、「今はまだ考えられません」と含みを残した。
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 なお、評議員会では、〇八年度会計報告も行なわれた。二百四十万六百七十三レアルの収入に対し、二百十六万六千三百六十七レアルの支出があり、来年度への剰余金は二万四千三〇六レアルであることが承認された。

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◎理事会選挙の結果
 「統合と進歩」54票
 「チェンジ文協」48票 
 白票4
◎評議員幹部選挙の結果
 「統合と進歩」54票
 「チェンジ文協」46票
 無効票2、白票4

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