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無縁仏にも線香を=お盆の前援協、救済会が供養=旧都心のアパートで=独り者66歳女性ひっそり死去

10月28日(木)

 無縁仏にも線香の一本を──。サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)と救済会(左近寿一会長)は、施設で亡くなった身寄りのない入所者をサンパウロ市やグアルーリョスの市営墓地に埋葬している。せめてお盆だけでも、供養をしようというのが長年の習慣になっている。来月二日は死者の日。今年も、墓参りの季節がきた。
 今月二十五日。独居老人だったクボ・ヨウコさん(兵庫県出身)がサンパウロ市内の病院で、死去。翌二十六日午前、援協がヴィラ・フォルモーザ墓地に葬った。享年六十六歳。ベラ・ヴィスタ区内のアパートで日系人男性と暮らしていた。二十年ほど前にこの男性が死去。その後も、一人で同じアパートに住み続けていた。
 管理費を支払っておらず、かなり困窮した生活を送っていたとみられる。管理人によると、クボさんを尋ねて来る人もいなかったという。長年の住人ということで、この管理人が気にかけていたという。
 クボさんは、援協診療所で診察を受けたことがある上、管理人が車椅子を借りにきたことがあるので、埋葬方法などについて援協に相談が持ち込まれた。
 ヴィラ・フォルモーザ墓地には、九九年以後、日系人七人が援協の手によって埋葬された。同年以前の墓は既に掘り返され、引き取り手のない遺骨は共同の納骨堂に収められている。
 いずれも、クボさんと同様に身寄りのないまま亡くなった人たちばかり。雑草が生い茂った上、持ち去られたのか墓標もない。無残な姿になった無縁仏が、目立つ。二十六日、クボさんを埋葬後、援協福祉部の職員二人は七人の墓を回って献花、盆の供養をした。
 救済会は、憩の園が立地するグアルーリョス市のボンスセッソ区に、墓と納骨堂を所有。毎年十一月二日を前に、職員と入所者が墓参りをしている。一九五八年に施設がオープンした時からの習慣だから、四十五年も続いていることになる。
 もともと、サンミゲル・アルカンジョ市のサウーデ墓地に墓を持っていた。グアルーリョス市が約二十年前に、墓を供与。遺体を移し替えた。さらに、同市は一部の土地を無料で提供し、救済会側は納骨堂を建てることも出来た。
 特養のマルガリーダ館が竣工後、入所者の平均年齢は一気に上昇。さらに、家族のあるお年寄りの数も増え、無縁仏として埋葬される遺体はずいぶん減ったそうだ。今年も職員が前以って掃除を済ませ、後日希望者を募って墓に向かうことにしている。
 援協は、クボさんの友人・知人を捜している。問い合わせ電話番号=11・3385・6601。

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